テクトロニクス社は12月4日、単相の電源や家電製品、電気製品などの設計・テストエンジニア向けに1chの高確度パワーアナライザ「PA1000型」を発表した。

近年の電子機器に対する低消費電力化や電力効率の向上要求は強く、それに対応するためのインバータ化やSiC/GaNといった次世代パワーデバイスの実用化が進められており、設計・開発などのエンジニアには、そうした技術への対応が求められるようになっている。

同製品は、そうした新たなニーズに対応することを目的に開発されたパワーアナライザで、一般的な測定項目である電力や皮相電力、力率(PF)、無効電力、電圧(実効値)、電流(実効値)、クレスト・ファクタ、ピーク、周波数などの測定に加え、2014年3月より施行される「IEC62301 Ed2.0」などの待機電力に対する規制に対するフルコンプライアンス測定などに対応している。

PA1000型の測定項目

また、電力基本確度は0.15%、測定周波数帯域を1MHzを実現しており、電子機器などを構成する回路ブロックの改善による数%の電力削減などを、より高い確度で測定できるようになるほか、1MHzの周波数帯域により、高速回路のサージ突入電力をより高精度に測定することなどが可能となっている。

さらに、1Aと新たに開発した20Aの2つのスパイラルシャント抵抗を搭載することで、40μAから20A RMSまで高確度で対応することが可能となっている。

加えて、3.5型のカラーグラフィックディスプレイを搭載。単なる電圧や電流の値だけでなく、グラフや高調波などを表示することが可能。

PA1000型の概要と特徴

このほか、標準でPCと接続して用いることで、遠隔操作やバッチ処理などを容易に実現する「PWRVIEWソフトウェア」も提供されている(PCとの接続ポートはUSB 2.0、100Mbps LAN、GPIBの3種類)ほか、フロントパネルにもデータロギング用のUSB 2.0ポートを装備。手軽にデータの解析を行うことが可能となっている。

「PWRVIEWソフトウェア」の概要

なお同製品の価格は24万8000円(税別)だが、標準の保証期間は従来の3年から5年に延長されている。またオプションとして、手軽な測定を実現する「Breakout Box(型番:BB1000型)」も2万5800円(同)で用意。2014年3月末までにPA1000型を購入した人にBB1000型を無料で1台提供するキャンペーンも行っている。

PA1000型の外観。左写真の右側のものがBB1000型