宇宙航空研究開発機構(JAXA)とNHKは11月26日、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中のJAXAの若田光一宇宙飛行士が、宇宙からのアイソン彗星とオーロラの4K動画撮影に成功したと発表した。

撮影に用いられたのはNHKとJAXAが共同で開発してきた宇宙用高感度4Kカメラシステム。アイソン彗星は11月23日の19時8分(日本時間)にカナダ・オンタリオ州上空420km地点にて撮影。大気の揺らぎのない宇宙という利点を生かし、尾から上がってくるアイソン彗星の様子を4Kの美しい動画にて撮影することに成功している。一方のオーロラは、同日19時3分(日本時間)ころに、米国モンタナ州付近(高度420km)にて撮影が行われた。

今回の撮影について、若田宇宙飛行士は、「ISSから宇宙を見ると、地球から見るのとは違い、星々が3次元的に奥行きを持って広がって見え、宇宙の広大さを実感します。こうした息を飲むほど素晴らしい光景を、ぜひ皆さんに届けたいと思います。今回のような機会に出会えたことは素晴らしいことですし、これから彗星が最も明るく輝く時まで、できるかぎり良い映像がとれるように努めたいと思います」とコメントしている。

なお、NHKでは、アイソン彗星がもっとも良く見えると期待される時期の12月4日の19時30分から、「NHKスペシャル」として、若田宇宙飛行士のコメントを交えながら、自身が撮影したアイソン彗星の姿をISSから生中継にて紹介する予定だという。

ISSにて若田宇宙飛行士が撮影した「アイソン彗星」の4K動画の一部を静止画にしたもの (C)JAXA/NHK

アイソン彗星と同じく、若田宇宙飛行士がISSにて撮影した「オーロラ」の4K動画の一部を静止画にしたもの (C)JAXA/NHK