PTCジャパンは11月18日、紛争鉱物の利用規制であるドッド・フランク法に企業が対応するためのソリューション「紛争鉱物開示規制対応向けPTC Materials Compliance ソリューション」の提供を開始すると発表した。

「ドッド・フランク法」は、紛争地域の資金調達を防ぐことなどを目的とし、2010年に米国議会で策定された。該当国はコンゴ民主共和国および周辺地域10カ国となり、該当する鉱物はスズ、タンタル、タングステン、金の4種類でPTCジャパン PLM/ALM事業部の貴島雅史氏は「該当する鉱物は今後も追加される可能性はある」と語っている。

PTCジャパン PLM/ALM事業部の貴島雅史氏

同法の施工により、紛争鉱物を用いた製品を生産・製造する上場企業は、2014年5月31日を最初の年次公開期限として米証券取引委員会(SEC)に報告する義務があるという。SECへの報告義務が必要な日本企業は「米国に上場していること」「製品が米国上場企業に含まれていること」などの条件を満たす企業となるが、貴島氏は「部品を製造するサプライヤーは国内に数千程度はある」と語り、ドッド・フランク法は国内の非上場企業にも大きく影響すると考えを示す。

同ソリューションは、製品と全サプライチェーンに含有される紛争鉱物の特定と報告義務に関するSECによる規制に対応する情報を製造業に提供するもの。PTCがすべてのソフトウェアと関連インフラをインストールし、運用・管理する。

ドッド・フランク法は2010年の7月に米議会で発行された

ドッド・フランク法ではスズ、タンタル、タングステン、金を紛争鉱物の対象としている

企業は2014年5月末31日までに対象企業は紛争鉱物の報告する

具体的な内容は、製品およびサプライチェーン全体にわたり紛争鉱物に関する状況の体系的な判断と報告書の作成、サプライチェーンデータや原産国調査の自動収集、内部リスクレポートの作成などが含まれるほか、REACH、RoHSなどの環境関連規制のコンプライアンスに対応し、米MOTOROLAや米Seagate Technologyはすでに同ソリューションを導入しているという。

紛争鉱物開示規制対応向けPTC Materials Compliance ソリューションには「追跡」「収集」「評価と報告」という3つの主要機能がある

同ソリューションは、紛争鉱物に関するSECの報告を支援する

同ソリューションはブラウザからの操作が基本となる

なお、同ソリューションの一部機能は同社が先日発表した「PTC Windchill 10.2」に搭載されているという。今後、精錬業者の紛争鉱物ステータス管理、年次回答リフレッシュ管理、サプライヤポリシー検査支援などの機能を追加実装する予定。