IDC Japanは11月11日、日本国内におけるクライアントPC市場出荷実績値について発表した。2013年第3四半期(7月~9月)の国内クライアントPC出荷台数は、2012年第1四半期(1月~3月)以来、6四半期ぶりにプラス成長となった。
家庭市場は120万台の前年同期比24.6%減、ビジネス市場では259万台の同21.3%増となり、ビジネス市場が家庭市場のマイナス分を補い、計379万台、同1.7%増となった。
2013年第3四半期の国内家庭市場の出荷台数は、6四半期連続で前年同期比減となった。家庭市場の不振が慢性的で出口が見えない状態が続く中、ビジネス市場は、Windows XPサポート終了に伴う買い替え需要が旺盛となり、前年同期比で20%を超える高い成長率を示した。その結果、2013年第3四半期のビジネス市場向け出荷台数は、家庭市場向けの2倍を超える台数に達した。
ベンダーシェアでは、前期と上位5社の顔ぶれは変わらないものの、前期5位であったHPが3位に順位を上げた。家庭市場の出荷台数が比較的少ないHPとデルは家庭市場の影響が小さく、ビジネス市場での好調がそのままPC市場での躍進につながった。
NEC レノボ グループは、家庭市場で前年同期比23.6%減と不調だったが、ビジネス市場が同15.6%増と下支えし、全体では0.8%減と昨年並みの出荷台数になった。
富士通は、家庭市場で前年同期比14.4%減、ビジネス市場では同18.1%増となり、全体では9.1%増となった。東芝については、ビジネス市場では前年同期比14.6%増と好調だったが、家庭市場で同29.5%減となり、全体では5.8%減で順位を1つ下げた。
デルは、家庭市場で前年同期比12.3%減となったが、ビジネス市場では同43.7%増となり、全体では33.8%増。上位5社の中で、唯一30%を超える成長率を達成した。
IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネジャーの片山雅弘氏は「家庭市場で苦しんでいるベンダーは、ビジネス市場で活路を見出そうとしている。しかしWindows XPサポート終了の特需は、いわば需要の先食いである。XPの特需が終わる2014年4月以降、PCのビジネスをどのように組み立てるか、家庭市場やタブレットも含め、戦略を再度見直す必要がある。2014年は、PCベンダーにとって大きな転換点になるであろう」と分析している。