近畿大学(近大)は10月23日、旭松食品およびNPO法人である食の安全と安心を科学する会の共同研究の成果として、凍り豆腐が「大豆クラス2食物アレルギー」の発症リスクが低減された大豆食品であることを確認したと発表した。
同成果の詳細は、10月26日に開催される「第52回 日本栄養・食糧学会近畿支部大会」にて発表される予定。
大豆クラス2食物アレルギーは、シラカバ・ハンノキ属の花粉に対してアレルギー(花粉症)を持つ人が、大豆食品を摂食した際に、口腔アレルギーやアナフィラキシーなどの症状を発症することを指す。この原因は、大豆に含まれるタンパク質「Glym4」、「Glym3」が花粉アレルゲンと似ているため、身体が勘違いしたことにより体内のIgE抗体が反応してしまい、アレルギー症状を引き起こすことにあるとされている。
一般にこのタイプの食物アレルギーでは未変性で可溶性のタンパク質が口腔内で吸収され、IgE抗体と反応して発症することが知られているが、今回の研究では、凍り豆腐に含まれる2種類のタンパク質(Glym4/3)が、製造中に変性し不溶化するため、アレルギーを引き起こす状態とは異なるものになっていることから、結果として、凍り豆腐は大豆クラス2アレルギーの発症リスクが低減化された大豆食品であるといえることが判明したという。
なお、研究グループでは今後、チャレンジ・テストなどを行っていくことで、リスク低減化を臨床レベルで実証する必要があるとするほか、凍り豆腐には通常の大豆アレルゲンも含まれているため、乳幼児に多い通常の大豆アレルギー(大豆クラス1食物アレルギー)患者ではほかの大豆加工食品と同様にリスクが残っているとしている。