計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは10月18日、米Virginia Diodes(VDI)と共同開発した、シグナルアナライザおよび信号発生器用の周波数拡張モジュールを発表した。

マイクロ波の周波数が混み合うようになる中、十分な変調帯域幅の確保する目的で、高周波数を利用するアプリケーションが増加しつつある。いわゆる第5世代(5G)移動体通信もミリ波が検討されるなど、次世代ワイヤレスにおけるミリ波、サブミリ波の重要性はさらに増してきている。これに伴い、測定の難易度も格段に増している。

そこで今回、1.1THzまでのミリ波、サブミリ波帯をカバーしたVDIの周波数拡張モジュールと、アジレントの信号発生器やシグナルアナライザを組み合わせ、複雑なミリ波信号の発生および測定を実現した。これにより、電波天文、医療、材料、広帯域通信の初期段階の研究ニーズに応えることができるという。

VDIの新モジュールは、他の周波数エクステンダと比較して優れた性能を示しているため、より正確な測定結果を得ることができる。例えば、信号源モジュールでは高い出力パワーを、シグナルアナライザモジュールでは低変換損失で高感度を実現している。これらの性能によりダイナミックレンジも優れていることから、様々な測定に最適となっている。

シグナルアナライザモジュールには、標準外部ミキサモードと広帯域ブロックダウンコンバータモードの2種類の動作モードがある。広帯域ブロックダウンコンバータモードでは、アジレントのシグナルアナライザまたは広帯域デジタルオシロスコープ、およびソフトウェア「89600 VSA」を使って、20GHzを超える超広帯域の変調信号の解析が可能となっている。

なお、価格は約206~520万円(税別)程度。また、ベクトルネットワークアナライザ「PNA-X」シリーズ向けにも、VDIのミリ波テストヘッドを再販するという。すでに、販売出荷を開始している。

アジレントのシグナルアナライザおよび信号発生器用の周波数拡張モジュール