横河電機は10月16日、レンジフリーコントローラ「FA-M3V」用高速データ収集モジュールとして、入力点数が6点の「F3HA06-1R」、入力点数が12点の「F3HA12-1R」、およびプログラム開発ツール「WideField3」の機能強化版を発表した。
「FA-M3V」は、電子部品・電子機器組み立て装置や半導体製造装置などの高機能組み込みコントローラとして使用されている。高速データ収集モジュールは、製造装置や検査装置のセンサからのアナログ信号をデジタル信号に高速に変換してデータを蓄積し、シーケンスCPUモジュールに渡すものであり、今回の「F3HA06-1R」と「F3HA12-1R」は、従来比10倍の5μs周期で変換できるモジュールとなっている。高速演算処理が可能なシーケンスCPUモジュールと組み合わせることで、応答速度も従来比10倍の50μsを実現している。さらに、16ビットの高分解能で、より高精度な信号に変換する。高速、高分解能になったことでデータも多く蓄積できるように、2MBのロングメモリを搭載している。また、高速データ収集モジュールは、カウンタや角度・位置センサなどのデジタル信号に同期させて信号の変換を開始することが可能。しかも、最大12点同時でも5μs周期で信号を変換できる。これにより、測定対象が高速に動いていても、多点同時で収集したデータに基づいて制御を行えるので高精度な制御が実現する。
プログラム開発ツール「WideField3」は、「FA-M3V」のプログラム作成、デバッグ、アプリケーション管理用ソフトウェアで、プログラム実行状態の表示機能を強化した。これまでは、プログラムのデバッグやトラブル解析には、サンプリングトレース機能でプログラム実行後のデータを確認したり、デバッグ用プログラムを追加する必要があった。これに対し、「WideField3」を用いると、シーケンスCPUモジュールでプログラムを実行しながら、ほぼリアルタイムでプログラム実行状態を確認できる。しかも、一度に最大96点の表示が可能。多数のデータを一画面で比較確認することができ、デバッグやトラブル解析の効率が向上する。同機能は、プログラム実行状態をチャート形式でグラフィカルに表示。PLCのラダープログラムに慣れていないユーザーも、装置を稼働させながら不具合の原因特定に活用できる。