ユビキタスは9月30日、Wi-Fiアライアンスが標準策定しているワイヤレス環境でのリモートディスプレイ技術であるWi-Fi CERTIFIED Miracastに対応した「Ubiquitous Miracast Solution」を製品化し、12月より発売開始すると発表した。

同ソリューションは、Wi-Fi環境において、機器の画面データを無線で伝送し、別の機器のモニタに表示することが可能。スマートフォンやタブレット端末などの画面を、離れた場所にあるTVやカーナビと無線経由で画面共有し、端末側のアプリケーションやビデオ、ゲームなどのメディアコンテンツをカーナビ側で利用したり、楽しむことができる。

スマートフォンやタブレット端末は、高速なインターネットに接続可能であり、様々なアプリケーションやメディアコンテンツをダウンロードし、気軽に楽しむことができる環境が整っている。一方、これまでのカーナビなどの車載情報機器は、ナビゲーションやAV、ラジオなどの固定的なアプリケーションが中心となっており、機能のアップデートの周期も長く、インターネット接続も限定されていたりと、タイムリーに最新のアプリケーションやメディアコンテンツを利用できないなどの課題があった。

今回発表されたソリューションを利用することで、車載情報機器とスマートフォン、タブレット端末の連携がさらに進み、スマートフォン、タブレット端末の最新のアプリケーションやメディアコンテンツを車載情報機器から利用できるようになる。一方、自動車メーカーは、高機能なアプリケーションや高頻度でアップデートが必要なアプリケーションを、スマートフォンやタブレット端末から提供することできるようになり、高機能ナビゲーション端末の機能を補完するだけでなく、ディスプレイオーディオなどといった用途および車種に応じて、新しいカテゴリの車載情報機器が開発できるようになると想定しているという。

同社では、近年の車載情報機器(IVI)の機能進化の一環として、スマートフォンを通じたクラウドサービスとの連携の普及が加速し、その一部としてMiracastがキラーアプリケーションとして位置づけられることを見込み、車載情報機器に特化したMiracastソリューションの製品化を車載情報機器向けSoCを展開するルネサス エレクトロニクスとWi-Fiモジュールを展開する村田製作所と協業して実現している。

すでに、一部の顧客向けへの提案をスタートしており、2014年末以降の量産製品への搭載開始を見込む。2015年には、世界の車載情報機器市場(カーナビ+ディスプレイオーディオ+ポータブルナビゲーション端末)において、シェア10%以上の獲得を目標に拡販を行っていくとしている。

Miracastの動作イメージ