Dassault Systemsは9月10日(仏時間)、同社が提供する3D CADソフトウェア・プロダクト・ポートフォリオ「SOLIDWORKS」の最新版「SOLIDWORKS 2014」を発表した。

最新版となる2014では、コラボレーションの強化や4つのキーエリアに対するデザイン/ツール、統合ワークフロー、パフォーマンス向上、表示の改善といった生産性向上が図られたとする。また、今回のバージョンについて、同社はそのテーマを「DESIGN WITHOUT LIMITS(ものづくりに限界はない!)」としており、日本の顧客に役立つ3つの理由があるとしている。

SOLIDWORKS 2014が日本カスタマに役立つという3つの理由

その1つ目の理由はベータ版の時点から、日本の顧客から好評を得ているという点。SOLIDWORKSは毎年メジャーアップデートが行われるが、近年同社はベータ版からプレリリース版の提供までの間、製品出荷前に顧客も検証可能な期間としてベータコンテストを実施しており、日本でも全国から約100名のエンジニアが実際に触れる形で参加し(中継で参加した参加者もいるので、実際の数はかなりの数になるという)、評価が行われたという。

ベータ版の公開からプレリリース版の提供までに間に、カスタマが参加する形で製品評価を行ってもらうベータコンテストを実施することで、新版の使い勝手などをいち早く確認してもらうことが可能となる

特にUIについては、アイコンなどをシンプルアイコン化されたり、フォントの改善、作業域の色の変更(緑から青へ)など、細かいところながら、利用者がストレスを感じさせないような配慮が施されており、そうした点などが日本のユーザーから高い評価を得たという。

ユーザインタフェースの改良により、シンプルな使いやすい画面となり、作業者のストレス軽減が可能となったという

また、グラフィックの演算性能向上により、で重なり合うモデルの計算では従来比で4-5倍の高速化、断面表示でも約1万点のアセンブリと図面のモデルで検証を行った場合、2013版では12秒かかったものが、2014版では1秒に短縮できるようになったという。

グラフィックス処理のパフォーマンスが強化されたことにより、処理待ち時間が減り、作業ストレスを軽減することが可能となる

2つ目の理由は、日本のユーザーが頻繁に使う図面やアセンブリに対する機能向上や新機能の追加などが図られている点。そして3つ目の理由としては、3次元CADのファイルとして存在する3つの表現方法(部品、アセンブリ、図面)を、常に最新情報に同期させ、自動更新できる連想性機能の強化したほか、各種の解析情報などアドイン製品同士の連携も強化が図られており、例えば、モデル解析を実施する際の各種境界条件を従来は1つ1つ、手動で設定をしていたが、これをCADの情報から、解析の境界条件に対し、自動的に変換できる機能が追加された点となっている。

図面やアセンブリの改良ニーズなどは日本のカスタマからの要望が多いとのことで、今回、そこがメインで機能強化が図られたという

また、連想性の強化として、2/3D CADデータビューワ「eDrawings」を従来のWiondws/MAC/iOS環境に加え、Androidへ対応させるためのツール「eDrawings Android」の提供を開始したほか、iOS向け機能の強化として、AR機能に対応する「eDraings iOS」の提供を開始。これによりマーカータグを利用して、現場で実寸サイズの妥当性などを確認したりすることが可能となる。

連想性の強化として、3D CADのみならず、周辺機能との連携も強化。例えば、従来、1つ1つ境界条件を設定していた作業に対し、それを自動で設定してくれる機能などが追加された

Android端末で3D CADデータを閲覧することが可能となったほか、iOS端末ではAR機能を使って、機器の設置場所に疑似的に設置してみたりするといったことも可能となった

ちなみに、主に強化された機能は以下のとおりとなる。

デザイン/ツール

  • 複雑な形状のコントロール:新しいスタイルスプライン、スケッチ図のスケールツールおよび円錐フィレットによる有機的な形状や複雑なサーフェスを素早く、簡単かつ正確にコントロールすることが可能
  • 迅速な図面の詳細化:詳細な図面の作成をより速く、自動的に実施
  • 板金機能の向上:新しい板金機能により、板金部門の形状作成のスピードアップ、製造用データ出力の向上、コーナートリートメントでの制御性の向上による補強リブ作成機能(取り付け金具にみられる、パーツにかかる重みや力への耐久性を補強するための凹凸のあるデザイン)などが実現された

統合ワークフロー

  • SolidWorks Enterprise PDMでワークフローの効率化:新たにMicrosoft Officeとの統合によりデータ管理の簡素化を実現。また、プレビュー機能がついたWeb Client機能も強化された
  • SolidWorks Electrocalの統合とパフォーマンスの向上:プロジェクトコラボレーションの向上のために、電気設計をより容易に最適化、共有、トラックすることを可能とした

生産性の向上

  • デザインコミュニケーションとコラボレーション:Android端末を新たにサポート。これにより、モバイルユーアーの選択肢がiOS搭載端末からさらに拡大することとなる
  • コスト見積もりとレポート作成の効率化:ユーザーの設定作業をより軽減しつつ、部品コストを素早く見積もれるようになり、バリューチェーンの中でより効率的にコスト情報を共有することが可能となった。これにより、アセンブリのための重要な製品開発データをMicrosoft Excelに移すことなどが可能となり、生産や購買といった各部署にて、データの共有を簡単に行うことが可能になるという

表示の改善

  • シミュレーション設定の効率化:SOLIDWORKS SIMULARIONの活用により、設計データから解析へ自動的に再設定することができるため、コンカレント設計を可能にするため、シミュレーションの効率化を実現し、作業の重複を取り除くことが可能となった
  • アセンブリ・パフォーマンス、表示の向上:新しいスマート合致ツールバー、スロット合致のコンテクストメニューにより、アセンブリをより速く、より容易に作成、参照する事が可能となった。また、アセンブリの断面図では選択した部品を包有、除外できるため、より優れた断面図を迅速に作成することが可能となった

なお、最新版であるSOLIDWORKS 2014は、日本では2013年11月1日より同社代理店を通じて販売が開始される予定。