タブレットデバイスが普及段階にある中、米IDCがタブレットの市場予測を下方修正した。スマートフォンの大型化とウェアラブルコンピュータなどの新カテゴリが生まれており、これらの影響を受けるとみたためだ。

IDCが8月29日(米国時間)に発表した最新の予測では、2013年のタブレット出荷台数予想を2億2740万台とした。これは、当初の予想値である2億2930万台から190万台少ない数字となる。

下方修正の要因として、"ファブレット"といわれる大画面スマートフォンのトレンド、それにウェアラブルコンピューターなど新カテゴリがタブレット市場に影響を与えると説明している。ウェアラブルについては、Googleのメガネ型コンピュータ「Google Glass」のほか、米Appleや韓国Samsungらの大手ベンダーがスマートウォッチを発表すると予想されている。

第2四半期(2013年4月~6月期)は、主要なメーカーから新製品の発表がなかったこともあり出荷台数が予想を下回った。IDCでは、年末商戦を含む下半期はさらに重要になるという。一方で、下方修正したもののタブレット市場が成長していることは変わりなく、2013年の年間成長率は57.7%増の予想。出荷台数が4億700万台に達すると予想している2017年まで、急速に拡大すると見ている。

IDCはタブレット市場のトレンドとして、これまで成長を牽引してきた北米、西欧、日本の成熟市場で鈍化の兆しがみられること、教育や小売りなどの垂直市場での受け入れが進むこと、の2つを挙げている。成熟市場では現在6割以上のシェアを占める。現在4割弱にとどまるアジア太平洋地区(日本除く)など途上国では、2017年には51%に達すると予想している。