「メルセデス・ベンツ」の自動車には、「スリーポインテッド・スター」というエンブレムが付いています。これが付いた自動車は高級車ですね! 今ではメルセデス・ベンツの自動車ラインアップには小型車もありますが、それでも高価なことに変わりはありません。「スリーポインテッド・スター」は自動車メーカーのロゴマークの中でもトップクラスの高級さを感じさせるものではないでしょうか。今回はこの高級エンブレムについてドイツ・ダイムラー社の広報さんに聞いてみました。

メルセデス・ベンツには長い歴史あり

ダイムラー社の最初のスリーポインテッド・スター

まず「メルセデス・ベンツ」はブランドネームです。会社名ではありません。メルセデス・ベンツはドイツ・ダイムラー社の取り扱っているブランドです。

このダイムラー社は、世界で最も由緒正しい自動車会社です。1883年に創業されたとする、世界最古の自動車会社ベンツ&シー社と、1890年創業のダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト社が1926年に合併したのが始まりです。

1926年時の社名は「ダイムラー・ベンツ」です。「メルセデス・ベンツ」のブランドネームはこのときから使われています(メルセデスは1900年から使用されています)。そして1998年には社名が「ダイムラー・クライスラー」に、2007年からは「ダイムラー」になりましたが、社名の変更に関わらず、メルセデス・ベンツというブランドネームは使われ続けています。そのため、もう87年も生き続けている強いブランドネームなのです。

ベンツ&シー社のロゴ

その思想が体現された「スリーポインテッド・スター」

さて「スリーポインテッド・スター」についてですが、このロゴマークは1909年に意匠登録申請され、使われています。このロゴを考案したのはダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト社の創業者、ゴットリープ・ダイムラーのふたりの息子です。

このときのスリーポインテッド・スターには、現在のロゴのように周囲を囲む円はありません。文字通り、三つの頂点を持つ星形のみでした。これは、「三本の光芒は陸・海・空を指し、それぞれの世界でのモビリティーの発展を意味する」という、ゴットリープ・ダイムラーの思想が込められたものです。

ダイムラー・ベンツ社のロゴ

1926年のベンツ&シー社との合併によって、ダイムラー社とベンツ&シー社の絆を表す、新しいロゴが考案されました。ベンツ&シー社のロゴは「月桂冠」をあしらったものでした。「月桂冠」は、ベンツ&シー社が当時の自動車レース界で成し遂げた成功を意味しています。

現在のメルセデス・ベンツのロゴ

合併によって誕生したダイムラー・ベンツ社のロゴマークは「スリーポインテッド・スター」を中心に、その周囲にメルセデス・ベンツの名と月桂冠をデザインした円形のものになりました。これが「メルセデス・ベンツ」のエンブレムとして、また、シンプルなスターマークがマスコットとして車両に取り付けられ、現在に至っています。

メルセデス・ベンツは今でも高級車の代名詞であり、このエンブレムを付けて世界中を走っています。「いつかはメルセデス・ベンツに乗りたい」とひそかに思っている人も多いのではないでしょうか?

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(高橋モータース@dcp)