画家・イラストレーターの天野喜孝氏と、L'Arc~en~Ciel/VAMPSのヴォーカリスト・HYDE氏がコラボレーションした展覧会「天野喜孝×HYDE展 天命と背徳~NIPPON EVOLUTION~」が9日、開幕した。ここでは、開催前に行われたプレス発表会の様子をお届けする。

天野喜孝氏(左)、HYDE氏(右)

同展は、ゲーム「ファイナルファンタジー」のキャラクターデザインで知られる天野喜孝氏とL'Arc~en~Ciel、VAMPSのヴォーカリスト・HYDE(ハイド)氏とのコラボレーションによるアート展。天野が描いたイラストを中心に、ホログラム、フィギュアなど100点を超える作品を展示する。

プレス発表会では、天野喜孝氏とHYDE氏によるトークセッションが行われた。この展覧会が実現した経緯として、天野氏は「もともと自分が描く絵はHYDEさんに似ていると思っていた」と明かし、提案をしていく中で、テンポよく形になっていったのだと話した。一方、HYDE氏は、「天野さんのファンだったので、力になれるのであれば是非という気持ちで(この企画に)賛同した」と語った。

天野氏とHYDE氏のトークセッションでは、展覧会の実現の経緯やタイトルに込められた意味が明かされた

また、「天命と背徳」というタイトルはHYDE氏が発案。「今回のアート展は世界に発信していくべき企画だと感じたので、あえて日本語で表現したかった」という。"天使と悪魔"というテーマの提案を受けて、「ふたりの名前が少しずつかかったもので、なおかつ"闇と光"の意味合いを持たせたかった」と説明した。天野氏はこのタイトルを受け、「天命(天野)」と「背徳(HYDE)」でシャレかと思った」とひとこと。「HYDEさんの放つ言葉の力はすごいと感じているので、最初に聞いた印象は、かっこいいタイトルだと感銘を受けた」とも付け加えた。

そのほか、天野氏がHYDE氏をモデルに、即興で等身大程のサイズのホワイトボードにペインティングを行う様子を収めた映像が放映され、その後、映像中で描かれた作品が披露された。HYDEの楽曲「JESUS CHRIST」がBGMとして流れる中、天野氏は約5分でこの作品を描き上げたという。モデルとなったHYDEは「最初は照れがあったが、途中からこんな貴重な機会はないと思いながら天野さんのパッションを感じた」と感想を語りつつ、「途中でくしゃみがしたくなったがこらえました」ともらし、会場の笑いを誘った。それに加えて、報道陣からの「天野氏にオールヌードを描いてもらいたいか」という質問を受け、HYDE氏は「ぜひ描いてもらいたいですね」とも答えていた。

ライブペインティングの様子(左)と完成した作品(右)

最後に、同展の展望を聞かれた天野氏は、「今回、このような形で(同展を開催)できたことは大変うれしい」とコメント。HYDE氏は、「世界にこのような作品をもっと発信して、日本以外の国の人に見てもらいたい。さまざまな表現で描かれており、原画としてのタッチなど画集では味わえない作品の魅力を会場にぜひ足を運んで見に来てほしい」と語った。

なお、同展の会期は8月31日まで。会場は東京都・原宿のラフォーレミュージアム原宿。入場料は一般1,800円、小学生以下500円となっている。