北海道大学と北海道むかわ町立穂別博物館は7月17日、北海道4例目の恐竜化石であり、北海道2例目となるハドロサウルス科恐竜とみられる化石を発見したことを発表した。

この化石は恐竜の尾骨で、2003年4月9日に穂別町(現・むかわ町穂別)に分布する上部白亜系函淵層の海成層(約7200万年前の外側陸棚堆積物、水深およそ80~200mの範囲内)にて、同町在住の堀田良幸氏により発見された。

少なくとも13個の尾椎骨が保存されており、それらには横突起が無く、尻尾の中間から後ろの尾椎骨であると考えられるほか、その長さから、全長7~8mほどの恐竜と推定され、椎体の断面の形が六角形であること、前後の関節面が平らな形状であることなどから、植物食恐竜で、白亜紀後期に繁栄した恐竜であるハドロサウルス科恐竜(鳥盤目 鳥脚亜目)であると推測されたという。

また、ハドロサウルス科の恐竜であるが、椎体の後方の関節面の背面側に他のハドロサウルス科恐竜には見られないほどの大きな突起があることから、新しい種類の恐竜である可能性が考えられるという。

さらに研究グループでは、2011年に採集地の露頭(崖)の現地調査を実施したところ、胴体側(体の前方)の脊椎骨ひとつが埋没しているのを確認しており、その結果、全長7~8mと推定される骨格の残りが露頭に向かって垂直方向に埋没している可能性があることを確認しており、2013年9月より、標本を所蔵しているむかわ町立穂別博物館が中心となって発掘作業を実施する予定だという(発掘現場とその周辺は民有地と道有林で、それぞれから発掘関係者以外の立ち入りが禁止されている)。

ハドロサウルス科恐竜の骨格図(イラストはニッポノサウルスのもの)。今回発見されたものは尻尾の中間から後ろの尾椎骨の部分と推測される

なお、発掘された標本は、むかわ町立穂別博物館で7月18日から12月1日まで一時的に展示される予定だという。

実際に発見された恐竜の尾椎骨化石

尾椎の一部と後方からみた関節面(写真の右側)