リコーとFDKは7月16日、ニッケル水素電池を搭載したデジタル複合機用の蓄電システム「FPSS-162GR」を発表した。停電時にプリンターへ電力を自動供給できるほか、ピークカット/ピークシフト用電源としても利用できる。

同製品は、リコーとFDKが共同で商品を企画し、リコーのデジタル複合機専用蓄電システムとしてFDKが開発と製造を行った。販売は9月4日よりリコーが行う。価格はオープンで、市場想定価格は200万~260万円。想定価格は、無償保証期間が1年~6年の6モデルを用意するため、価格幅があるとしている。

前面パネルにコンセントを2個搭載しているため、デジタル複合機を動作させながらも、ほかの用途にも蓄電システムを利用できる。官公庁や企業の事業継続計画(BCP)をサポートする目的として開発したという。

蓄電システム「FPSS-162GR」

また、同製品に採用されているニッケル水素電池は、米国の第三者製品安全認証機関「UL」の認証を取得。FDKは、2012年に民生用小型ニッケル水素電池の生産数量で世界1位(富士経済調べ)となっており、これまで蓄積してきたニッケル水素電池に関する統計データをもとにした寿命予測機能を搭載。これにより、仕様・環境条件が異なっていても高い精度で電池寿命を予測できるため、電池交換の頻度を抑えて無駄なコストを削減できるとしている。

外部インタフェースにLANを搭載しており、LAN環境内であれば蓄電池の状態やスケジュール管理といった蓄電システムの一括管理(30台まで)をPCで行うことができる。また、蓄電システム自体にも前面に小型液晶ディスプレイを搭載しているため、蓄電池の状態把握やピークシフトを簡単に設定できるという。

電池容量は1600Wh。出力は電源から給電している状態で1.5kW、バッテリー運転時が1.7kW(後面1.5kW、前面0.2kW)。コンセント数はAC100Vが計4口。大きさは280×630×630mm。重量は約70kg。