佐藤製薬のマスコットは『サトちゃん』は、かわいらしいオレンジ色の象さんのキャラクターです。皆さんも街なかで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。でも、なぜ象のキャラクターなのでしょうか。佐藤製薬の広報・下地愛美さんにお話を伺いました。
――佐藤製薬のマスコットキャラクター・サトちゃんの誕生した経緯を教えて下さい。
1955年(昭和30年)6月に、佐藤製薬の印刷物(薬局に配る冊子)に象のイラストが登場しました。当時は本物の象に近い、鼻の長い象さんでした。
――最初に登場したのは現在のようなデフォルメされたものではなかったのですね。
その後、社名・製品の広告宣伝を開始するにあたり、トレードキャラクターや薬局の標識を兼ねるものとして立体的なデザインを制作し、今のサトちゃんの原型となるものができました。
――では、サトちゃんが誕生したのはいつですか?
1959年(昭和34年)4月10日です。現天皇陛下の御成婚を記念して発表されました。このときはまだ「サトちゃん」という名前はありませんでしたが、一般公募(4万6,600通の応募)によって、同じ年の10月9日に「サトちゃん」と命名されました。
――サトちゃんという名前は一般公募で決められたのですね。では、サトちゃんのキャラクターデザインをされた方は誰なのでしょうか?
童話作家の飯沢匡氏と動画作家の土方重巳氏です。
――NHKの童話番組などでも活躍されていたおふたりですね。サトちゃんのキャラクターのデザインでこだわっている点、また込められた意味などがあれば教えてください。
象は長生き(平均70歳~80歳、中には100歳まで生きるという象も)する動物であり、健康で明るいイメージがあります。
――確かにそうですね。
キャラクター誕生当時の、「人間の平均寿命が60~70歳」を考えると、長命で非常に健康な動物ということで、国民の健康と深い関連を持つ製薬会社と薬局のシンボルとして最適であると考え、象のキャラクターになりました。
――象がモデルとなったのはそういった理由だったのですね。
また、当時から象は動物園でも人気があり、大人にも子供にも愛されている動物であることも理由となっています。
――サトちゃんがオレンジのカラーリングになったのはどんな理由がありますか?
子供たちに好まれ、遠くからでも目立ち、印象が長続きする色として、明るいオレンジ色になりました。
――確かに遠くから見て目立ちますよね。薬局の前に立っているのがよく分かります。
サトちゃんは全国各地の薬局・薬店の店頭に立って、元気良くまた愛想良くお客様をお迎えしていますよ。ピンク色の『サトコちゃん』は、サトちゃんの妹で、サトちゃんと一緒に子供から大人までみんなに元気を与え、愛されるキャラクターとなっています。
――ピンク色のキャラクターはサトコちゃんという名前の妹だったのですね。そのほかにサトちゃんにまつわるエピソードはありますか?
サトちゃんは生誕51周年の2010年の3月10日(サトウの日)に、リニューアルしました。これは、今まで培ってきたキャラクターのイメージを損なうことなく、いつの時代にも幅広い層に愛され続けてほしいとの想いで行ったものです。
現代的な印象になったサトちゃんは、瞳をグリーンで縁取り、よりクリクリっとしたかわいい瞳になっています。生き生きとした表情になり、今まで以上に健康的で明るいサトちゃんを表現していますよ。
――これまで以上にかわいく愛されるキャラクターに生まれ変わったわけですね。ありがとうございました。
象がモデルのサトちゃんには、健康と長命の願いが込められているとのことでした。製薬会社のシンボルとしては、まさにうってつけですよね。誕生から50年以上たった今でも人気があることを考えると、最高のチョイスだったのかもしれませんね。
そのほかのロゴの秘密も紹介中
(貫井康徳@dcp)