5月23日、来日しているMicrosoft CEO スティーブ・バルマー氏が都内で記者会見を行った。バルマー氏は同社が目指す「デバイス&サービスカンパニー」の方向性とWindows Azureの日本リージョン開設計画を発表した。日本リージョンの開設により、Windows Azureが国内のデータセンターで利用できるようになる。
はじめにバルマー氏は「私は毎年日本に来ているが、イノベーションの質の高さ、アイディア、技術に対する情熱は目を見張るものがある」と話し、日本に対する期待感を口にした。
Windows 8のセールスについて「日本では、13社から250以上のWindows 8 PCが登場し、Surface RTも発売できた」と語り、好調を維持しているという。また、Windows 8.1についても言及。「Windows 8のデバイスはWindows Storeを通して、無償でアップデートされる。PC、タブレットで、より良いユーザー体験を得られるようになる」と述べた。
また、Windows Phone 8について「日本では展開が遅れているものの、一生懸命努力しているところだ」と語り、日本のスマートフォン事情を刷新したい考えを述べた。「Windows Phone 8は、Windows 8/RTと同じユーザー体験、情報を共有することができる」とし、マイクロソフトのソフトウェアUIが統一化されていく中で、ユーザーが戸惑うことなく、デバイスを利用できるメリットを強調した。
法人市場はクラウドコンピューティングの時代へ
バルマー氏は「Windows Azureは、『Fortune 500(米国の総収入上位500社)」』の半分以上をはじめ、20万以上の企業・団体に提供している」と述べ、Windows Azureの順調な成長ぶりをアピールした。また、「クラウドコンピューティングはブレイクスルー。業務効率化が進むだけでなく、オンプレミス型では気にしていたサーバー容量などの悩みがなくなり、企業は他のビジネスを考えることができる」と語った。
日本リージョンの中には、首都圏と関西圏の2か所がサブリージョンとして含まれている。従来、国内のAzureユーザーの多くは、アジアリージョンの香港かシンガポールのサブリージョンを選択していた。しかし、今回の発表により、データ統治権を担保しながら、国内にデータをおけることの信頼感と通信レスポンスの向上が実現する。バルマー氏は「特に公共団体や金融機関などに安心感をもってもらえる」とした。
また、日本マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口 泰行氏は「クラウドは災害対策として非常に有効であり、首都圏、関西圏のサブリージョンによって、国内でディザスターリカバリ構成を構築できる」と述べ、日本リージョンの開設によるメリットの1つとした。
なお、具体的なサービス提供時期、オファリング、パートナー連携などについては、改めて発表するとしている。