Cypress Semiconductorは5月21日(米国時間)、「PSoC 1」アーキテクチャ用統合開発環境(IDE)の新バージョンである「PSoC Designer 5.4」を発表した。

新バージョンには40個以上の新規または改良されたユーザーモジュールが搭載されており、これらは無償で使用可能なバーチャルチップと呼ばれるアイコンで提供され、複数のICやシステムインタフェースを1個のPSoCデバイスに集積することができる。また、バージョン5.4には、ユーザーの入力に合わせて変数や機能、キーワードを自動的に表示するAuto-Complete機能をはじめ、PSoCの設計をより迅速かつ容易にする多くの新機能が組み込まれている。さらに、ハードウェアおよびファームウェア、GUIを独自に設定することで、ユーザーモジュールの設計を自ら行える新機能が追加された。

バージョン5.4で追加された新しい3つのSmartSenseユーザーモジュールは、CapSense静電容量タッチセンシングテクノロジを容易に使用できるようにする。このうち、「SmartSense2X_EMC」ユーザーモジュールは、「PSoC 1」ファミリのうち「CY8C2xx45」および「CY8C28xxx」をサポートする。静電容量センサを自動的にチューニングしたり作業中のチューニングをダイナミックに最適化したりするだけでなく、エンドシステムのEMI耐性を向上させノイズの高い環境下でも動作するという。同機能は、家電機器だけでなく幅広い新規開拓市場に最適となっている。

この他に追加になったユーザーモジュールとしては、プログラマブルな電流ソースや逐次比較型A/Dコンバータ(SAR ADC)が含まれている。ハードウェアとファームウェアをマニュアルでコンフィギュレーションしなくても、SAR ADCをデザイン上にドラッグアンドドロップするだけで、入力の値に関係なく電圧が自動的に計算されるという。

ユーザーモジュールは「PSoC Designer」のGUIではアイコン表示され、そのアイコンをドラッグアンドドロップするだけで利用可能となっている。ユーザーモジュールはあらかじめ検証およびキャラクタライズされており、自分のデザインに合わせてその機能をカスタマイズできるようデータシートが添付されている。「PSoC Designer 5.4」には、このようなユーザーモジュールが160個以上含まれており、「PSoC 1」デバイスのデザインを迅速化および簡易化している。また、ユーザー独自のハードウェアやファームウェアIPを含むユーザーモジュールを開発することができ、これを再利用することで設計効率の向上が実現する。独自のユーザーモジュールは、コンフィギュレーションを行うためのGUIのカスタマイズも可能となっている。

「PSoC Designer 5.4」は15個の新しいサンプルプロジェクトを含んでおり、PSoCの様々なシステム設計例を参考にすることが可能。また、これらサンプルプロジェクトの中から、興味のあるものを検索するためのソートやフィルタリングが行える新しいグラフィカルインタフェースが追加されている。