サッポロビールは5月16日、ビールテイスト飲料を飲む際、香りが"のど越し"に影響することを発見したと発表した。

同成果の詳細は、米国醸造化学者学会にて、5月21日(現地時間)に発表される予定だ。

ビールテイスト飲料を飲む際の"のど越し"感は、味や香りと同様に、美味しさを決める重要な要素である。そこで、同社では、のど越しに変化を与える要素に注目し、ビールの香りや味の成分とのど越しとの関連性について研究を行ってきており、今回、ホップに含まれる香り成分「1-hexanal」および「cis-3-hexenal」をビールテイスト飲料に添加することで、「しっかりしたのど越し(飲みごたえ)」を感じるようになることを、官能評価、および筋電位計測を使った"のど越し測定"により、明らかにしたという。

研究の具体的な内容は、ホップの香り成分による"のど越し"感増強効果として、ホップに含まれる香り成分をビールテイスト飲料に添加し、9名を対象にのど越し感について官能評価を実施。その結果、1-hexanal(2.5μg/L~600μg/L)およびcis-3-hexenal(2.5μg/L~100μg/L)は、添加量の増加に伴い、「しっかりしたのど越し」感が増強される傾向があることが確認された。

ホップの香り成分による「のど越し」感増強効果(官能評価)

また、ホップの香り成分による"のど越し"感増強効果として、ビールテイスト飲料(80ml)に、1-hexanal(200μg/L)およびcis-3-hexenal(30μg/L)を添加し、9名を対象に、飲用時に動くのどの筋肉の活動時間と活動量を測定(筋電位計測)したところ、1-hexanalおよびcis-3-hexenalの添加により、筋肉の活動時間、活動量がともに増加し、「しっかりしたのど越し」感が増強されることが判明したという。

ホップの香り成分による「のど越し」感増強効果(筋電位計測)

同社では、これらの結果よりビールテイスト飲料を飲む際に、のどの奥から鼻に抜ける香り「口中香」(レトロネーザルアロマ)が"のど越し"に影響している可能性があるとの考えを示しており、今後、そのメカニズムの解析を進めていくほか、これらの研究成果を活かし、"のど越し"感を訴求したビールテイスト飲料などの新商品開発も検討していくとしている。