Texas Instruments(TI)は、独自のImpedance Track技術を採用し、バッテリ動作時間の延長と保護機能を実現した鉛酸バッテリ向けバッテリ管理/残量計IC「bq34z110」を発表した。
同製品は、1~65Ah強の大容量バッテリや、0~32A強の大電流用途向けバッテリなどの広範な鉛酸バッテリ(4~65V)をサポートする、スケーラブルなマルチセル・バッテリ残量計ICとなっている。高精度と使いやすさを特徴としており、医療機器、基地局、通信シェルタ、電動自転車、UPS(無停電電源)などの携帯型や固定型機器に最適だと同社では説明している。
動作温度範囲が広い環境下では、各種のリチウム系バッテリと比較して、鉛酸バッテリは一般的に性能が優れている。しかし、現行の鉛酸バッテリ製品は、正確なバッテリ残量計測とレポート機能を備えていないため、システムの充電状態を適切に維持するためにバッテリ本数に余裕を持たせる必要があった。
同製品は、Impedance Track技術によって得られる電流、電圧の測定値、温度、バッテリ特性値を使用してバッテリの充電状態、動作状態、容量を把握し、ユーザーに情報を提供するとともに、バッテリの動作寿命期間全体にわたって、最大95%の高いバッテリ残量計測精度を実現している。こうした情報により、早まったシャットダウンが回避され、バッテリ寿命と機器の動作時間の延長が可能になるという。また、アプリケーションノート、ユーザーガイド、評価モジュール「bq34z110EVM」により、設定も容易になっている。
なお、パッケージは5mm×6mmサイズの14ピンTSSOP。価格は1000個受注時で2.30ドル。評価モジュールの「bq34z110EVM」は49ドルとなっている。