アルプス電気は4月10日、車載機器、特にカーオーディオとモバイル機器の無線接続に最適な車載用アンテナを内蔵したBluetooth All in Oneモジュール「UGZZC-G」シリーズを発表した。
カーナビやカーオーディオなどの車載機器は、ナビゲーションや音楽再生以外にもハンズフリー通話への対応やスマートフォン、小型音楽プレーヤーなどとの連携が進み、様々な機能が利用できるようになっている。これら連携機能を利用するには、無線通信モジュールが必要で、現在、Bluetoothを利用したデータ通信方式が主に採用されている。
車室内など近距離通信に便利なBluetoothは、Bluetooth SIG認証や各国電波法の認証を取得する必要がある。このため、Bluetoothモジュールをセット製品に搭載後も、アンテナも含めたセット製品として、これらの認証を得る必要があり、その検討・検証に非常に工数が掛かっていた。また、カーオーディオなどの車載機器の多くは、使用しているCPUの処理能力が低く、Bluetoothを搭載するに当たり、Bluetoothのプロトコルスタックを内蔵した同社のAll in Oneモジュールへのニーズが高かった。しかし、さらにアンテナまで搭載したモジュール化が求められていた。
同製品では、アンテナおよびBluetoothプロトコルスタックを内蔵したことで、Bluetoothの認証に加え、各国電波法の認証もモジュールとしてアルプス電気で取得。また、シリアルフラッシュメモリを内蔵したことにより、電話帳データ3000件の記録が可能となったのに加え、さらにそのデータのソートするといった管理機能を取り込んだ。これらにより、セット製品の設計や検証、ソフトウェア開発、認証にまつわる工数を削減した。
また、これまで培ってきた高周波技術やシミュレーション技術により、アンテナの特性に影響を与える基板回路を最適化したことで、モジュールへのアンテナ内蔵を実現している。さらに、ピンヘッダータイプを採用したことで、無線通信特性を確保するとともに、カーオーディオでの実装面積の削減にも寄与する。
アルプス電気では、これまで車載用Bluetooth All in Oneモジュールで2500万台以上の生産実績がある。同製品を加え、市場ニーズを捉えた製品展開をさらに加速させていくとコメントしている。
なお、サンプル価格は6000円。4月より月産5万個規模から量産を開始する。