University of Calgary

カルガリー大学の研究者2名(Simon Trudel氏およびCurtis Berlinguette氏)は、太陽光発電や風力発電などの普及を促進することになると見られる研究成果を発表した。水の電気分解に使用できる新しい触媒を開発したというもので、従来の触媒と比較してコストが1,000分の1程度で済むという。太陽光発電や風力発電を後押しする技術になるものと評価されている。

太陽光発電は、必要な量以上の太陽光が太陽光パネルに当たっている時に発電する。風力発電は、必要な強さ以上の風が吹いているときに限られる。これら再生可能エネルギーは、電力の出力が天候に左右され安定しないという特性を持っている。出力不安定に対する取り組みはいくつかある。そのうちひとつの方法に、電力を別の形式に変換して保存するという方法がある。具体的には、これら発電から得られる電力を使って水の電気分解を実施し水素燃料を得るというもの。電力が必要になった段階で、水素燃料を使って発電を行う。この方法は環境的にも好ましいとされている。

ただし、この方法で現実的な効果を得るには、水の電気分解が実用的な効率で実施されるように「触媒」を使う必要がある。これまではこの触媒が高価であるため、コストの面で現実的な方法ではなかった。今回、2人の研究者が発見した新しい触媒は、従来の触媒の価格の1,000分の1程度になるとされており、太陽光発電や風力発電の普及を後押しする技術として注目される。