柏の葉キャンパスシティIT コンソーシアムは、スマートシティとしての街づくりが進む千葉県柏市柏の葉キャンパス地域で「いろんな乗り物"街乗り!"シェアリング」のサービスを4月1日より拡充すると発表した。

「いろんな乗り物"街乗り!"シェアリング」は、電気自動車などのエコカー、電動バイク、電動アシスト自転車、自転車など複数種類の乗り物の貸し出し・返却システムで統合運用し、利用者が目的に応じて使い分けることのできるマルチ交通シェアリングサービス。現在の会員数は約400名だという。

今回、サービスを拡充するのは、日産自動車の電気自動車「リーフ」を新導入し、平常時には、地域移動を支えるモビリティシェアリングサービスとしての利用し、非常時には、地域で緊急時に必要な電力を提供する"街の非常用電源"として使用できる仕組みを構築する。

防災エネルギーボックスに接続するリーフ

具体的には、リーフを柏の葉地域で独自開発した「防災エネルギーボックス」 につなぐことで、携帯電話などの充電用コンセント、ラジオなどの通信機器の電源として使用。さらに、その電力を地域の防災拠点に供給し、避難所の照明や地域情報を発信するデジタルサイネージなどの電源としても使用する。

街の非常用電源としてのモビリティ活用イメージ(非常時)

リーフは災害時に適切に利用するため、「蓄電量」と「現在位置」をリアルタイムで把握。蓄電量は、柏の葉地域で試行運用中の地域の電力使用量を一元管理する「AEMS(エリア・エネルギーマネジメントシステム)」によって把握し、現在位置はGPSによって確認。これにより、どのリーフをどの防災エネルギーボックスに移動するのが効果的なのか判断する。

AEMS

また、今回追加投入したリーフに対しては、「GPSによる車両位置の管理技術」と「車両搭載型のIC認証器による開錠システム」による新たな貸出・返却システムを導入。GPSの活用により、ユーザーが車両の貸出し・返却を行う際、従来の区画を定めた専用駐車スペースではなく、大規模駐車場など一定のエリア内に駐車することで返却を認識する。

そのほか、車両搭載型のIC認証器の導入で、これまで認証に使用していた「キーボックス」が不要となり、設置機器が簡素化されるという。