【金融庁】「地域金融力強化プラン」策定 試される伊藤長官の実行力

金融庁は年内に「地域金融力強化プラン」を策定する。来年3月末で申請期限が切れる公的資金による資本注入制度の大幅延長や、再編・経営統合時に活用できる交付金の拡充などの施策が注目されているが、これらはあくまでツールに過ぎない。

 人口減少の加速で疲弊する地元の経済・産業を活性化させられるような質の高い金融サービスを提供できる力を地銀や信金・信組にどう身に着けさせるかが最大の課題。地銀などが地元経済の持続的な発展に資する存在になるには、「伝統的な金融業の枠にとどまらない異次元の地域金融力を発揮する必要がある」(監督局幹部)。

 当局にとって、人口減少社会に対応した地域金融の再編は長年の課題だ。

 金融庁が発足した2000年に約130行だった地銀は、足元で100行弱に集約されたが、同一県内に3行以上がひしめき合うエリアがまだ8つもある。信金が250超、信組が140超あり、オーバーバンキング状態のまま。今のままでは収益が十分に上げられず、経営が立ち行かなくなりかねない。

 伊藤氏は、地域に望まれる金融機関へと脱皮するため大胆なビジネスモデル転換や、再編に打って出るなら、公的資金でも補助金でも規制緩和でも、あらゆる手段を駆使して後押しする覚悟を決めているという。

「地域金融力強化プラン」の策定に乗り出した真の狙いはそこにある。時代遅れのビジネス感覚や旧弊を引きずる地銀首脳が依然多い中、抜本的な生き残りと金融力アップに向けた決断をどう促していくのか。新長官の力量が試される。

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