計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは3月26日、最大32Gbpsで、4タップディエンファシス機能を搭載したパルスパターンジェネレータを発表した。
クラウドコンピューティングやビッグデータなどの浸透により、データセンターインフラにおいては、100Gビット・イーサネットや32Gビット・ファイバチャネルなど、高速なデータ伝送に対応した規格の採用が進んでいる。データ転送速度の高速化にともない、サーバ、ネットワークインタフェースカード、バックプレーン、通信用ICなどの設計では、信号がバックプレーンや回路、長いケーブルを通過する際に信号が劣化してしまうといった新たな測定上の課題に直面している。
これに対処するため、同社ではシリアルBERT「N4960A」用としてリモート接続可能なパターンジェネレータヘッドを開発した。今回発表された「Agilent N4951BオプションD32 4タップディエンファシス内蔵 32Gbps パルスジェネレータリモートヘッド」、「Agilent N4951BオプションD17 4タップディエンファシス内蔵 32Gbps パルスジェネレータリモートヘッド」は、それぞれ32/17Gbpsに対応した4タップディエンファシス機能(1個はプリカーソル、2個はポストカーソル)を内蔵しており、レシーバやシステムの特性評価の際、送信側のエミュレーションに必要となる信号補償を行うことができる。
さらに、BERTソフトウェア「N4980A」により、信号経路のSパラメータの情報から、適切なディエンファシスタップ値を自動計算することが可能。タップ値を容易に最適化でき、その値を元にすぐにパルスジェネレータヘッドにプログラムすることができる。
シリアルBERT「N4960A」製品群を構成する新パルスパターンジェネレータは、BERTコントローラとケーブルを接続してリモートヘッドとなる構成を採用しており、これによりパルスパターンジェネレータを被測定物の近くに設置できるようになり、信号ケーブルを短くし、信号の劣化を最小限に抑えることが可能となったという。
なお価格は、32Gbps構成、ディエンファシスオプション付きのシリアルBERT「N4960A」が約2000万円(税別)。既存ユーザー向けのディエンファシスオプション付きパターン発生器が約790万円(税別)から。すでに販売を開始している。出荷開始は6月の予定。