明治は3月25日、自社保有の乳酸菌「L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)」が、ストレスを軽減すること、また免疫の低下を抑えることを、動物試験および臨床試験で明らかにしたと発表した。

ストレスや激しい運動、不規則な生活による疲労などは免疫を低下させ、それによりインフルエンザなどの感染症にかかるリスクが高くなると考えられている。

今回、同社の研究チームは、免疫の低下を反映する2つのモデルとして「ストレスをかけた動物試験」と「激しい運動を行った臨床試験」を実施し、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)の免疫活性に及ぼす影響について検討を行ったという。

具体的には動物試験としては、ラットに水またはL.ガセリ乳酸菌を14日間与え、最後の5日間、ケージの底面から1.5cmの高さまで水を張り、ラットに浸水ストレスをかけたところ、水を与えたラットでは、浸水ストレスによりストレスホルモンである血中コルチコステロンが増加し、免疫機能の1つである脾臓のNK活性が有意に低下したことが確認されたがL.ガセリ乳酸菌を与えたラットでは、血中コルチコステロンの増加はゆるやかになり、脾臓のNK活性の低下が抑えられていることが確認されたという。

一方の臨床試験では日常的に運動を行っている大学生を対象に、無作為化プラセボ対照二重盲検試験が行われた。各被験者には乳酸菌を含まない偽薬(プラセボ)または100mgのL.ガセリ乳酸菌を含有する錠剤を4週間摂取してもらい、その前後で、それぞれ1時間のエルゴメーターによる激しい運動を実施したところ、摂取前の検査では、プラセボ群・乳酸菌群ともに激しい運動により血中のNK活性が低下したが、摂取後の検査ではプラセボ群のみ運動によりNK活性が有意に低下し、乳酸菌群では運動後のNK活性の低下が見られなかったという。

研究チームではこれらの結果から、L.ガセリ乳酸菌が、ストレスを軽減すること、および免疫の低下を抑えることが明らかになったとしている。

なお、同成果の詳細は同日開催された「日本農芸化学会2013年度大会」にて発表された。

L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)の摂取4週間後における運動後のNK活性におよぼす影響