テクトロニクス社は3月14日、400Gマルチキャリアスーパーチャネルコヒーレント光システムの自動テスト・サポートを可能にする光信号アナライザ用ソフトウェア「OM4000」シリーズを発表した。
ネットワーク機器製造メーカーは次世代の高速通信の実現に向けた400G以上の調査・研究を進めており、その中の1つとして、単純に1つのキャリアでシンボルレートを上げるのではなく、個々の低いレートをマルチキャリアで並列に伝送する「スーパーチャネル」が提案されている。スーパーチャネルの構築方法については、現時点では合意されたものは存在せず、キャリア数、キャリア間隔、使用する変調フォーマットなど、基本となる特性についてもメーカーごとに異なっており、測定システムも、そうした提案されるすべてのフォーマットに対応することが求められている。
同ソフトウェアは、コヒーレント光信号アナライザ「OM4106D型」およびコヒーレント光信号アナライザソフトウェア「OM1106」のオプションであるOpt. MCSとして提供される。「OM4106D型」は、同社の33GHzオシロスコープ「DPO/DSA70000D」シリーズとコヒーレント検出器を組み合せることにより、1波長あたり最高240Gbpsの光ファイバ信号を取り込むことができ、これによりテスト時間の短縮が可能となり、キャリア数、キャリア間隔、変調フォーマットを柔軟に設定することができるようになるほか、キャリア測定結果の収集や、マルチキャリアの視覚化により、総合的な解析が可能となると同社では説明している。
なお、Opt. MCSは操作性、柔軟性に優れており、テスト実行の操作は、キャリア数、キャリア間隔、変調フォーマットなどのマルチキャリア変数を簡単なテーブルに入力するのみで済み、その情報をもとに、キャリアごとのローカルオシレータ、測定パラメータがセットアップされ、自動的に実行される。すべての測定が完了すると、全キャリアの測定結果が並び合わせて表示されるため、相関性を容易に把握し、問題をすばやく特定することができるようになるという。