大日本印刷(DNP)は3月4日、近距離無線通信技術のNFC(Near Field Communication)に対応したアンテナ付きNFCモジュールを開発し、5月に評価用サンプルを出荷し、6月に販売を開始すると発表した。
電子機器へNFCを搭載することで、機器の間でのデータ通信が可能となるため、それによる新たなサービスの可能性が広がっている。例えば、ヘルスケア機器でチェックした日々健康状態のデータをスマートフォンに送信して、アプリで管理したり、生活家電の設定をスマートフォンから行うなど、用途の拡大に注目が集まっている。そうしたニーズを受け同社では今回、そうしたサービス展開に対し、デジタル機器に組み込むだけでNFCの機能が利用できる、小型・薄型のアンテナ付きNFCモジュールを開発したという。
具体的には同モジュールでは、NFCの基本機能であるデータ蓄積など非接触ICカード機能、R/W(リーダー/ライター)機能、機器同士で通信するP2P(Peer to Peer)機能を有している。また、NFCモジュールと組み込む機器をUARTもしくはI2Cを用いて接続することができるほか、NFCモジュールのアンテナ部分の裏側には磁性体シートを配置しているため、組み込む機器の環境に通信性能が影響されにくい設計となっている。また、標準品のほか、組み込み先の機器の仕様や利用環境に合わせて通信性能の最適化を図ることができるように、機能追加などのカスタマイズにも対応するという。
さらに、ISO/IEC18092規格に準拠。サイズは30mm×50mm×2.2mm。読み取り可能な媒体はISO/IEC14443 TypeA・TypeB、JIS X 6319-4(FeliCa)、ISO/IEC15693、ISO/IEC18092に準拠している。通信速度は106/212/424kbpsとなっており、同社では、同製品をゴルフナビ端末などの小型機器のほか、多様なデジタル機器向けに提供し、今後3年間で2億円の売り上げを目指すとしており、すでに、朝日ゴルフ用品が販売するゴルフナビ端末次期モデルに搭載される予定だとしている。