Texas Instruments(TI)は、モータの開発期間の短縮を可能とするセンサレス3相ブラシレスDC(BLDC)モータードライバ「DRV10866/11873」の2品種を発表した。

従来のBLDCモータには、外付けゲートドライバ、インバータ、位置検出、フィードバック、マイコン(MCU)など5~10個の外付け部品と、ファームウェアが必要だったが、「DRV10866(5V、680mA出力)」と「DRV11873(12V、1.5A出力)」はファームウェアが不要で、部品点数を1点に抑えることができることから、基板面積、システムコスト、製品開発期間の低減が可能だ。

また、1.65V~5.5Vの動作電圧範囲、および5μAの静止電流により、既存のソリューションと比べ、電動歯ブラシやシェーバなどのポータブル機器の電池動作時間を延長でき、消費電力を最大で75%低減することが可能だという。

さらに、保護機能を集積した同社のInstaSPIN-FAN motor solutionにより、コーディングが不要な他、少ない外付け部品点数でモータ回転制御の設定が可能になる。オンチップ保護機能には、過電流、過熱、ブリッジの短絡、電圧低下ロックアウトなどを備え、システムの信頼性向上が図れる。この他、ユーザーインタフェースや、クローズドループ速度制御が必要な際には、同社のマイコン「MSP430」との組み合わせが可能となっている。

なお、価格は2品種とも、3mm角のSONパッケージが1000個受注時で0.39ドル、16ピンTSSOPパッケージが同0.89ドル。同時にシンプルなタイマ「TLC555」、周波数発生回路出力、PWM入力、モーター接続機能を備えている他、プログラムコードが不要で、モータの迅速な性能評価を可能にする評価モジュール(EVM)「DRV10866EVM」と「DRV11873EVM」も提供されており、回路図とガーバーファイルも付属した形で価格はそれぞれ25ドルとなっている。

TIのBLDCモータードライバ「DRV10866/11873」