TANAKAホールディングスは2月26日、燃料電池用触媒の製造を手掛ける田中貴金属工業の湘南工場の敷地内に、燃料電池用触媒の製造を担当する専用工場を建設することを発表した。

新工場は約10億円を投資して建設され、延べ床面積約1000m2で、現在、同社の平塚テクニカルセンターにある燃料電池用触媒の研究開発や製品検査、出荷機能、ならびに湘南工場にある製造機能を、移転統合し、燃料電池自動車(FCV)や家庭用燃料電池「エネファーム」などのコージェネ分散型電源(熱電併給)に使用される固体高分子形燃料電池(PEFC)の電極触媒の開発・製造が行われる。

これにより電池用触媒の開発と製造の体制を強化できるようになるほか、今後見込まれる触媒の需要増に合わせて工場を増設するためのマザー工場に位置付けることで、生産能力を迅速かつ柔軟に増強できるようになると同社では説明する。

新工場は2013年3月に竣工予定で、順次機能を移転し、同年10月に本格稼働する予定で、同社では今後、燃料電池触媒の高耐久化と、高性能化による白金使用量の削減を目指した研究開発を進めながら、2013年4月に触媒の開発・製造を事業部化し、さらなるコストダウンを図れるように工程改善などに努めることで、燃料電池事業の拡充を図っていく計画としている。

田中貴金属工業の燃料電池専用工場のイメージ

PEFC用電極触媒