Broadcomは、スマートフォンおよびタブレット市場向けに4G LTE-Advanced対応モデム「BCM21892」を発表した。

同製品は、LTE FDD、TDD、キャリアアグリゲーション機能を備えたLTE-Advanced、HSPA+、TD-SCDMA、EDGE/GSMなど、現行の3GPP標準技術をサポートするベースバンドチップで、LTEのカテゴリ4で150Mbpsの速度に対応し、4G LTE、3G、2Gの様々なインタフェース技術をシームレスに引き継ぐことができる。

3GPPのあらゆる仕様に準拠したセルラベースバンドとワールドバンドラジオを統合したことで、既存製品比で実装面積を約35%縮小したほか、3GPP LTEであらゆる周波数帯を特定して組み合わせることができるため、事業者が4G LTEローミングに対応するネットワークの整備を容易化できるとする。

また統合ラジオには、高度なパワーマネジメント技術が導入され、ネットワークへのデータ伝送時の消費電力を最大25%低減できるほか、通信事業者が従来型ネットワークから移行する上で重要な要件となるモバイルブロードバンド接続による高品質な音声通信を実現するVoLTE(Voice over LTE)ソリューションを提供しており、これにより、同技術を採用したVoLTEサービスでは、WCDMAによる音声通信に比べて消費電力を40%低減できるようになるとしている。

さらに、相互稼動性を強化したことにより、同社の各種ワイヤレス技術と共存でき、通信事業者はWi-Fiや Bluetooth、4G LTEの間で無線干渉が起こる可能性を最小限に抑え、優れたWi-Fiのオフロード性能を実現できるとするほか、広範な独立アプリケーションプロセッサとのインタフェース機能により、様々なモバイルデバイスに搭載する4G LTE対応ソリューションの設計が可能となると説明している。

なお、同製品はすでに早期アクセスパートナーに対してサンプル出荷を行っており、2014年に量産を開始する予定。

Broadcomの4G LTE-Advanced対応モデム「BCM21892」