Texas Instruments(TI)は、耐放射線、地質探査、重工業、石油/ガス掘削機器など過酷な環境で使用される機器向けに、小型モノリシックPOL(Point-Of-Load)DC/DCコンバータとして、6.3V入力、6A出力の「TPS50601」と6.3V入力、3A出力の「TPS50301」を発表した。

2製品ともに電流モード制御を採用し、スイッチング周波数が高く、さらにハイサイド/ローサイドMOSFETを内蔵していることから、競合製品に比べ基板実装面積の50%低減を実現することが可能であり、ダウンホール掘削機など省スペースが必要な機器のサイズ低減を可能にすると同社では説明する。

ピーク効率95%を実現したことにより、競合製品に比べ、発熱を低減することが可能。また、100kHz~1MHzのスイッチング周波数範囲と、最適化された補償方式により、サイズと効率の最適トレードオフを可能にしたほか、高効率、最適なレイアウト、動的バイアス機能によって、出力コンデンサのサイズと点数を低減でき、かつ過渡応答特性を向上させることが可能だという。これにより、性能が類似した競合製品の10W/inch2(1.55W/cm2)を上回る12W/inch2(1.86W/cm2)の電力密度を実現したという。

「TPS50301」は、高温動作アプリケーション向けに最大+210℃の高温下での動作を保証。一方の「TPS50601」は、過酷な環境向けに最大+125℃の高温下での動作を保証。QMLV/RHA対応している。また、2個のデバイスの並列接続により、出力電流の倍増が可能となっている。

なお、2品種ともサンプル供給中で、パッケージはサーマルエンハンスト20ピンデュアルインラインセラミックフラットパックを採用している。

TIのモノリシックPOL DC/DCコンバータ「TPS50601」と「TPS50301」のパッケージイメージ