三菱電機は2月18日、低電流での動作の比率が高い冷蔵庫などの小容量モータをインバータ駆動するパワー半導体モジュールの新製品として、スイッチング素子に低電流領域のオン電圧が小さいMOSFETを採用したトランスファーモールドタイプの「超小型DIPIPM」を発表した。3月1日より発売する予定だという。

近年、冷蔵庫などの家電製品では、年間消費電力量が製品の省エネ指標となっており、定格条件の損失低減に加えて、実使用範囲で高い比率を占める低電流領域での損失低減が求められている。そこで同社では今回、スイッチング素子に低電流領域でのオン電圧が小さく、リカバリー損失の小さいMOSFETを採用し、消費電力を低減した制御ICを搭載した高放熱構造の超小型DIPIPMを開発。これにより、冷蔵庫などに搭載される小容量インバータの年間消費電力量の低減と、最終製品の小型化とコスト低減に寄与するとしている。

具体的には、スイッチング素子にMOSFETを採用し、低電流領域のオン電圧を従来比約60%低減したほか、MOSFETの製造プロセス最適化により、リカバリー損失を低減、回路の最適化により制御ICの消費電力を低減したという。

また、スイッチング素子の低損失化と放熱性の高い絶縁シート構造を採用することで温度上昇を抑制したほか、高放熱構造により、最終製品の放熱対策を軽減した。さらに電流制限抵抗付きBSDを内蔵し、外付けの部品数も削減可能になっているという。

なお、同製品は、三相インバータを構成するMOSFETチップ×6、HVICチップ×1、LVICチップ×1とブートストラップDi×3で構成されている。機能面では、短絡電流(SC、外付けシャント抵抗による)、制御電源電圧低下(UV)、過熱(OT、N側のみ)保護機能を内蔵する(N側保護動作時Fo出力)。サイズは24mm×38mm×3.5mm。サンプル価格は「PSM03S93E5/-A/-C」が420円、「PSM05S93E5/-A/-C」が520円となっている。

MOSFET採用のトランスファーモールドタイプ「超小型DIPIPM」