アドビ システムズは15日、同社が提供する「Adobe Creative Cloud」のアップデートを発表した。
今回のアップデートはWeb開発者向けのツールを対象としたもの。レスポンシブWebデザインのためのツール「Adobe Edge Reflow」プレビュー版が新たに追加され、「Adobe Edge Animate」、「Adobe Edge Code」、「Adobe Dreamweaver」がアップデートされた。
「Adobe Edge Reflow」:レスポンシブWebデザイン専用ツールが登場
Edge Reflowは、今回初めてプレビュー版が登場した新ツールで、Web閲覧環境が多様化している今、重要性を増している「レスポンシブWebデザイン」を実現するための専用ソフトとなっている。CSSを用いてレイアウトやビジュアルデザインを作成することができ、直感的に画面の表示サイズを変更することが可能なインタフェースを搭載。PC、スマートフォン、タブレットなど、さまざまな画面サイズにおけるWebページの見え方を確認することができる。
また、ブラウザでのプレビューや、Edge Inspectと連携したリアルタイムでのデザイン検証、およびEdge Code、Dreamweaver、他のコードエディタでも利用できるCSS抽出も可能。HTMLソースの書き出し機能は本バージョンでは搭載していないが、機能を強化したのちリリースされる予定ということだ。
「Adobe Edge Animate」:CSSのグラデーションに対応
HTML/JavaScript/CSSでアニメーション対応のコンテンツを作成するツール「Edge Animate」がアップデートされ、CSSの線形/円形グラデーションに対応。加えて、Webフォントサービス「Adobe Edge Fonts」のサポート機能も追加された(英文フォントのみ)。
また、「CSS Filter」をサポートし、従来はPhotoshopを使った作業が必要だったフィルター加工(グレースケールや色相、反転、彩度など)を、Edge Animate内で完結することができるようになった(対応ブラウザはGoogle Chrome、Safari、iOS 6、BlackBerry 10のみ)。
「Adobe Edge Code」:Chrome連携のライブプレビュー機能など
HTML/JavaScript/CSSで作られた軽量なコードエディター「Edge Code」については、デビューから3バージョン目のプレビュー版が公開された。「Edge Code」はオープンソースのコードエディター「Brackets」をもとに「PhoneGap Build」と「Edge Web Fonts」の機能を追加して製品化したものとなっている。
今回追加された新機能は、Google Chromeと連携し、コード編集の結果を保存前にブラウザで確認することのできる「ライブプレビュー」に加え、ファイル間を行き来することなく、コンテキスト内でコードを編集することのできる「クイック編集」も搭載した。また、CSSプロパティとHTMLタグ、属性のコードヒント機能も加わっている。
「Adobe Dreamweaver」:Edgeツールとの連携を強化
Dreamweaverのアップデートは、Creative Cloud有償メンバー向けのアップデートとして行われた。Edge Fonts」のサポートなど、Edgeツール&サービスファミリーとの互換性が高められ、コードオーサリングとワークフローを改善するいくつかの機能が加わった。また、Dreamweaver CS6で初めて導入された可変グリッドレイアウトの機能を強化し、IDタグに加えてクラスタグも利用可能となった。
無償で最新版・新ツールの使用が可能
このたびアップデートが行われた「Adobe Edge Animate」、「Adobe Edge Code」の最新版、そして今回リリースされた「Adobe Edge Reflow」プレビュー版は、「Creative Cloud」の無償メンバーも入手可能となっている。
■無償で使えるEdgeツール一覧
リリースビルド | 機能制限 | |
---|---|---|
Edge Animate | 1.5 | なし(Animate 1.xは完全無償提供) |
Edge Code | preview 3 | なし |
Edge Inspect | 1.2 | 同時接続デバイスは1台 |
Edge Reflow | preview | なし |