Texas Instruments(TI)は1月30日、VCO(電圧制御発振器)を内蔵し、位相ノイズが業界最小クラスの広帯域周波数シンセサイザ「LMX2581」を発表した。

同製品は、200MHzのフェーズディテクタ周波数と-229dBc/Hzの低PLL正規化ノイズにより、RFフロントエンドへの高精度局部発振器を実現、レシーバ感度を向上させた。また、内蔵VCOの周波数出力範囲が50MHz~3760MHzと広く、幅広いアプリケーションをサポートする際に、必要となる複数のVCO/PLLの組み合わせを不要にしている。オプションでは、内蔵マルチコアVCOをバイパスし、外部VCOを使用することも可能となっている。さらに、200MHzのフェーズディテクタ周波数を備えたデルタシグマPLLatinum PLLエンジンにより、スプリアス性能を向上させた。

また、デルタシグマフラクショナルN PLL、タンク回路付きマルチコアVCO、オプションの周波数デバイダ、各10dBmのシングルエンド出力を提供する2個の差動RF出力バッファ、数個の低ノイズ高精度LDO(低ドロップアウト)レギュレータなどを集積した超低ノイズ広帯域周波数シンセサイザを実現している。これらにより、1つの周波数シンセサイザで無線インフラ、レーダー、医療用画像処理、防衛・航空宇宙、試験・計測などの広範なアプリケーションをサポートする。

「LMX2581」は、クロックジッタクリーナ「LMK04828/04800」、JESD204Bシリアルインタフェースを内蔵した2チャネル16ビット250MSPSのA/Dコンバータ(ADC)「ADS42JB69」や2チャネル16ビット160MSPSのADC「ADC16DV160」、4チャネル16ビット1.5GSPSのD/Aコンバータ(DAC)「DAC34SH84」、300MHz~4GHz直交変調器「TRF3705」など、同社の高速アナログシグナルチェーン製品との組み合わせにより、総合的なリンク電力効率や通信チャネル容量の向上を可能にする。

なお、パッケージは5mm角の32ピンQFN。価格は1000個受注時で7.00ドル。評価モジュール「LMX2581EVAL」は175ドル。この他、タイミングソリューションの製品選択、ループフィルタの設計/シミュレーションをサポートし、システム設計を迅速化するコンパニオンツールのClock Design Toolや、ソフトウェアのCodeLoaderも供給している。これらのツールとクロック設計ソフトウェアは、デザインセンターWEBENCHで利用できる。

TIは、VCO(電圧制御発振器)を内蔵し、位相ノイズが業界最小の広帯域周波数シンセサイザ「LMX2581」を発表した。