NECは1月7日、同社府中事業場の敷地内に、人工衛星の組み立てや評価・試験などを行う新工場を建設すると発表した。同工場の稼働により既存工場と合わせて最大8機の人工衛星の組み立てが可能になるという。

新工場は、鉄骨造4階建て、延べ床面積9,900m2で、大型スペースチャンバーや最大26mの室内高を有する大空間作業室を備えるなど、大型衛星に対応可能な構造となっているほか、震度7クラスの激震を受けても継続使用が可能な仕様となっている。

投資額は建屋・設備を合わせて約96億円ながら、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」の採択事業となっているため、NECの実質的な投資額は約76億円に抑えられるとしている。

新工場の着工は2013年3月、稼働は2014年6月をそれぞれ予定している。

なお、同社では相模原事業場に展開する小型衛星組立工場に加え、今回の新工場建設により同社の衛星標準バス「NEXTARシリーズ」の自社一貫生産体制を整備し、環境監視・災害監視・測位などの衛星インフラ整備、アジアをはじめとする宇宙新興国の衛星需要などを積極的に取り込み、2020年の宇宙関連事業規模1,000億円を目指すとしている。

新工場の大型スペースチャンバー完成予想図