NECは5日、R&D説明会を実施した。NEC中央研究所で行っている研究結果や今後のR&D戦略を同研究所長 江村克己氏が登壇し、説明した。

NEC中央研究所長 江村克己氏

江村氏は最初に、「世界の人口は2050年に90億人に到達し、エネルギーや食料の需要が大きく増えるため、ICTによるスマートな社会インフラの実現が必須である」と述べた。

さらに、ICTインフラの進歩と充実でシステム上を流通する情報量は急増して、ビッグデータで価値を生む環境が整備されたと語った。

その上で「たくさんあるデータを上手く利用することで、価値を生み出すことがポイント」とNEC中央研究所の戦略を説明した。

中央研究所のミッションと方向性について

同研究所のミッション・運営方針と目指す姿については「ダントツで骨太なR&D」としてNECにしかできない、もしくは世界一の技術であるといったような、ある程度ジャンルを絞ってやっていくという方針について言及した。

また、国内に700人、国外に250人いる研究員が、それぞれの研究と研究の関連性を上手く見出し、効果的なシナジーを生み出す努力をしていくと説明。グローバル展開を目指した新しいタイプのR&Dを実践し、研究発表の場として、採択の難しい論文誌などに投稿を増やすという方針を持って、国内外を問わずに新事業創造といった価値向上を目指すと述べた。

顔認証システムについて

クラウドを支えるR&Dとしてビックデータ・アナリティクス/SDN(Software-Defined Networking)/実世界データとそのプロセッシング/セキュリティ/スマートエネルギーという、5つの項目をあげ、NECの基本的な考え方やトレンドを踏まえて説明した。

それぞれのテーマに関する基本的な考え方とトレンドについて

事業化を意識したR&D投資の効率化について

また、説明会でいくつかのデモンストレーションが行われ、「パブリックセーフティを支える24時間広域映像監視システム」や「流通業のデマンドチェーンマネジメントを革新する物体センシング」といったような新しい研究結果が紹介された。

説明会で紹介されたテーマに沿った既存の研究結果の紹介

新規発表された研究結果などの紹介