日本マイクロソフトは11月29日、Windows 8の企業向け取り組みについての記者説明会を開催した。あわせて、Windows 8に最適化された業務アプリを検証する環境および設備を提供する「Windows 8アプリ検証ラボ」の設立を発表した。

Windows 8アプリ検証ラボは、Windows 8で動作する業務アプリを検証する環境を提供するもので、同社の大手町テクノロジーセンター内に11月29日から2013年3月末までの予定で設置される。ラボでは、各社が提供する最新の法人向けWindows 8タブレットやオンプレミスサーバー環境、ネット接続環境などが利用でき、タッチ操作やペン入力などのWindows 8に最適化されたアプリの検証が可能となっている。

同サービスは、Windows 8タブレット向けの業務アプリケーションを開発するシステムインテグレーターやアプリ開発パートナーに向けて提供されるもので、利用は無料。同社では、企業のタブレット導入プロジェクト40案件で検証ラボの利用を目指すとしている。

マイクロソフト コーポレーション Windows Business Group Windows Commercial担当 シニアディレクター
アーウィン ヴィッサー氏

日本マイクロソフト 業務執行社員 Windows本部 本部長
藤本 恭史氏

この日の説明会で、マイクロソフト コーポレーション Windows Business Group Windows Commercial担当 シニアディレクターのアーウィン ヴィッサー氏は、Windows 8について「デバイスへの期待が高まっている中で、いつでもどこでもどんなデバイスであってもというモビリティの実現に取り組んだ。このモビリティを確保しつつ、企業向けのセキュリティや管理性においても妥協することのない製品」と述べた。

同氏は、Windows 8のUIを活用した業務アプリの海外事例として、スカンジナビア航空やバンク・オブ・アメリカなどを紹介したほか、イメージを保存したUSBメモリを利用し、異なる場所やPCであってもいつもの環境を利用できるようにした「Windows To GO」のデモや、セキュアなリモートアクセスを実現する「Direct Access」、Trusted Boot、BitLockerなどWindows 8 Enterpriseの機能を説明した。

また、日本マイクロソフト 業務執行社員 Windows本部 本部長の藤本恭史氏は、Windows 8のライセンス販売数が4000万を超えたことに触れ、法人向け市場においても、KDDIや国立保健医療科学院、三菱電機インフォメーションシステムズなどの早期導入事例や、既に発表しているNTTドコモとの協業において製造・製薬・金融の3社からあわせて約3500台の導入案件を獲得したことなどを説明。この協業スキームにおいては、中~大規模企業の70社以上と導入を前提とした商談を進めているという。

今後も、デバイスパートナーや導入支援パートナーとの連携を深め、既存のデスクトップPCのリプレースのみではなく、タブレットを用いた新しい市場においてさらに導入促進を図っていくとしている。