計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは11月2日、同社の高精度計測器「Agilent B2900A」シリーズ向け高精度・低ノイズ電源(電流/電圧源)として、1チャネル対応の「B2961A 低ノイズ パワー・ソース」、2チャネル対応の「B2962A 低ノイズ パワー・ソース」2機種を発表した。

電源や電圧/電流源は、エレクトロニクスのテスト・評価全般で不可欠だが、低消費電力やデータレート向上の要求が強まっていることにより、被測定物の特性を十分に評価するには、これまでに以上に微小な信号を高分解能で取り扱う必要がある。このため、今日の測定機器は、より正確で低ノイズに対する厳しい要求を満たしていくことが求められている。今回発表した製品は、高精度、低ノイズ、および多機能な電源や電圧/電流源が必要とされる用途において最適で、単なるDC電源という枠を超えた、圧倒的な性能と革新的な機能を融合しており、あらゆる研究・産業用途に最適という。

具体的には、6.5桁、100nV/10fAの分解能を持ち、既存の電源や電圧/電流源では難しかった高分解能A/Dコンバータ(ADC)、D/Aコンバータ(DAC)の正確なテストや評価が可能。また、広域にわたるバイポーラ電圧・電流範囲により、4象限で、DC210V/3A、パルス10.5Aまで対応しており、各種用途に幅広く対応する。さらに、10μVrms、あるいは1nVrms/√Hz@10kHzの出力ノイズを実現する低ノイズフィルタオプションにより、VCO(電圧制御発信器)、クリスタルオシレータ、ADC、DAC、センサ/トランスデューサデバイス、アナログIC/RFICなど、ノイズ要求の厳しいデバイスのテストもできる。この他、6種類の標準波形およびユーザ定義波形に対応した10mHz~10kHzの高確度任意波形発生機能を搭載。高度なテストや評価向けに、一般的なDC電圧/電流によるテストに加え、210V/3Aまでの範囲内で柔軟な電圧/電流波形が出力できる。

DC電圧/電流出力特性のエミュレーション機能を搭載したプログラマブル出力抵抗機能では、DC特性をプログラムすることで、電池のようなエネルギー生成デバイス、ドライバIC、レギュレータICなどの擬似デバイスとして動作する。これにより、実際の環境を再現したテストや評価できる。インタフェースには、4.3型カラー液晶ディスプレイ搭載。タイムドメイン電圧/電流波形ビューワおよび波形プレビュー機能を内蔵している。加えて、4.5桁電圧/電流モニタ機能を内蔵し、既存の電源や電圧/電流源と比べて、インタラクティブな評価やデバッグをより簡単に実施できるようになっている。

価格は「B2961A」が約67万円(税別参考価格)から、「B2962A」が約98万円(税別参考価格)から。すでに販売を開始している。

高精度・低ノイズ電源(電流/電圧源)「B2961A/B2962A」