インターネット上で自動車販売仲介サービスを展開するオートックワンは、新規事業として新車&中古車購入支援サービス「くるマルシェ」を11月1日より開始すると発表した。
同社ではこれまで、車選びのポータルサイト「オートックワン」を展開。新車をはじめとする自動車情報や見積りサービスを提供してきた。月間の利用者は360万人(PC、スマートフォン、モバイルの総計)で、月間のページビューは2,500万。GoogleやYahoo!などの検索エンジンから訪れるケースが多いという。
今回の新規事業の「くるマルシェ」は、若者の自動車離れが指摘される中、従来のオートックワンユーザー層ではなく、車に関する知識や情報はあまり持ち合わせてないものの、自分に合った車選びのアドバイスは欲しいという人を対象に企画開発したもの。これによりオートックワンの利用者層ならび事業の拡大を図る。
これまでは、利用者自身が車種を指定し、見積り書を新車販売会社が提供する仕組みだったが、「くるマルシェ」ではユーザーが希望車種を指定することなく、希望する条件から「カーソムリエ」および新車/中古車ディーラーが、ユーザーに適した車をアドバイスし、ユーザーの車選びをサポートする。
具体的には、ユーザーは自分のタイプを診断後、画面から好みの車画像を選択し、予算などの希望条件を入力すると、カーソムリエやディーラーからユーザーの嗜好にあった車種が提案される。
この際、ディーラーやカーソムリエには、ユーザーの性別、年齢、住んでいる地域の郵便番号、ハンドルネームが伝えられるが、メールアドレスや氏名、住所などの個人情報は伝えられないため、中立性を担保する。そして、ユーザーが提案された車を気に入れば、個人情報を公開しディーラーと実際の購入に向けた商談を開始する。
カーソムリエには、当初、オートックワン編集部スタッフや自動車評論家が当たるが、今後は検定試験に合格した車の営業担当や技術者のほか、車マニアも加える予定だという。なお、カーソムリエには報酬はないという。また、カーソムリエには星印などでユーザーからの評価を反映し、公開するという。
また、これまで「オートックワン」は、見積り書1件に対していくらという課金だったが、「くるマルシェ」のモデルは、ユーザーが車を購入した時点で購入先の販売会社へ課金する成果報酬型。金額は200~500万円程度の車であれば、3万円。また、成約時には「ユーザーへの成約お祝い金」として1万円程度が支払われる。
すでに参加予定を希望する新車ディーラーは97社あり、11月開始時の参加予定社数は100社を超えるという。
また、このサービスでは、新車だけでなく中古車も対象とし、今後1年間で500社程度の中古車ディーラーの参加を目指す。そして、ユーザーの反応を見ながら仕組みを変えていく予定だ。
オートックワン 代表取締役社長 加登吉邦氏は新サービスを開始する背景を、「我々は消費者ニーズの変化に着目している。新車見積りランキングは、この10年間で大きく変化しており、ブランド先行から実用型になっている。我々のサービスもこの変化に対応しなければならない。最近は、新車でも中古車でもどちらでもいい人が増えており、全体の50%を占める。したがって現在は、車種を限定しての車選びから、幅広い選択肢からの車選びが求められている。今後は月間1,000万のユーザーが訪れるサイトを目指していきたい」と述べた。