Freescale Semiconductorの日本法人であるフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは10月22日と23日、都内で同社ならびにパートナー企業の先端技術が一堂に会する開発者向けイベント「フリースケール・テクノロジー・フォーラム(FTF Japan 2012)」を開催している。

同イベントに併せて同社はドライバ・アシスタンス市場向けの新たな画像認識プロセッサ(ICP:Image Cognition Processor)ファミリ「SCP2200」を発表した。

自動車各社メーカーは安心・安全の実現に向けたプリクラッシュセーフティ技術の向上などを図っているが、同ファミリも車載カメラを通じて、歩行者の検知などを行うシステム向けのもの。従来の車載カメラおよびその画像を表示するためのモニタの搭載コストは1台当たり160~200ドル、自動車産業全体で年間27億ドルに達すると推定されている。

同ファミリはCogniVueのAPEX IP技術をベースとした並列画像処理アーキテクチャを採用。これにより画像データの並行処理が可能にとなり、競合製品比で低い動作周波数ながら高い処理性能を実現することができるため、低コストでインテリジェントなスマートセンサを搭載したリアビューモニタを提供することが可能になるという。

メインプロセッサには「ARM926EJ」を採用しているほか、最大340MOPSの画像認識プロセッサを搭載している。また、MPEG-4ビデオ・エンコード(30fps)およびMPEG-4/H.264ビデオ・デコード(30fps)を搭載しているほか、10ビット・カメラインタフェース、YUVフォーマット/JPEG圧縮データフォーマット入力などをサポート(ビデオ出力は最大24ビット、NTSC/PALに対応)している。

さらに画像認識処理アプリケーション開発向け統合ソフトウェア開発キットならびにリファレンス・デザイン・ソリューション、試作設計用カメラ・モジュールなども提供される。

なお、SCP2200ファミリはすでに提供を開始しているという。

Freescaleの自動車向けマイコンの主軸ラインアップ。それぞれの用途に応じたアーキテクチャとなっている

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