ルネサス エレクトロニクスは10月12日、同社子会社のルネサス東日本セミコンダクタ(東セミ)の100%出資子会社であるルネサスハイコンポーネンツ(RHC)の全株式をアオイ電子へ譲渡すること、ならびにRHCの受託生産事業に関わる自社グループ外の会社向け東セミ営業人員を含む営業事業を譲渡することで合意し、譲渡最終契約書を締結したことを発表した。

ルネサスグループは現在、収益基盤の強化に向けて、国内の生産拠点の再編などを進めており、その再編において生産製品の海外移管に伴い生産数量が減少していたRHCは、1年をめどに譲渡を検討する方向が示されていた。

そうした状況の中、事業規模の拡充や生産体制の効率化に加え、将来の業容拡大を目指した製品開発の効率化・スピードアップ、さらには災害などへのバックアップ拠点を検討していたアオイ電子とRHCの譲渡に関して合意に至ったとしている。

譲渡期日は2013年1月1日を完了予定としており、RHCの株式18万株がアオイ電子へと譲渡される。譲渡対価としては現金による決済が予定されている。

なお、RHCの2012年3月期の業績は売上高が59億5900万円、営業利益3億7500万円、経常利益3億6800万円、純利益4億6400万円(前年度は売上高60億1600万円、影響利益3億6800万円、純利益2億3300万円)であるほか、東セミの譲渡部門の業績は売上高58億8600万円、営業利益2億2200万円となっている。

今回の譲渡に伴い、ルネサスと東セミは、譲渡後のRHCに対し、ルネサスおよび東セミの保有する特許・実用新案・ノウハウなどの実施・利用許諾を行い、それらの実施・利用許諾の対価は、現金による決済を予定しているとしている。