タカラバイオは8月28日、静岡県立大学 薬学部薬物動態学分野の山田静雄教授との共同研究で、屋久島原産の植物「ボタンボウフウ」が、排尿機能の改善作用を持つことを動物実験にて明らかにしたと発表した。今回の研究成果は、2012年8月29日より名古屋で開催される第19回日本排尿機能学会学術大会にて発表する予定だ。
同社はこれまでにボタンボウフウの機能性についての研究を進めてきており、屋久島原産のボタンボウフウに含まれる特徴的な成分である「イソサミジン」が、過剰に収縮した膀胱や前立腺の平滑筋を弛緩させる作用を、動物組織を用いた研究で明らかにしてきた。今回、ボタンボウフウの排尿機能に対する効果をさらに詳しく調べるために、動物実験により評価を行った形だ
ラットにイソサミジンを含むボタンボウフウエキスを経口投与し、その1時間後にラットに30ml/kgの水を飲ませた。続いて、水負荷(飲水)後2時間の排尿回数・量を測定。
その結果、ボタンボウフウエキス(投与量:100mg/kg)は水負荷(飲水)によって生じる排尿回数の増加を抑制することが判明した。また、ボタンボウフウエキスにより1回当たりの排尿量が増加することもわかったのである(画像1・2)。
さらに、男性の排尿機能改善のために広く利用されている「ノコギリヤシ果実エキス」とボタンボウフウエキスとの併用時の効果について、同じモデルを用いて評価が行われた。
その結果、ノコギリヤシ果実エキス(投与量:100mg/kg)ならびに低用量のボタンボウフウエキス(投与量:10mg/kg)はいずれも単独での排尿機能への効果は見られなかったが、それらを併用(同時に摂取)することにより、排尿回数の減少作用と1回当たりの排尿量の増加作用が見られたという(画像3・4)。
今回の結果とこれまでの研究結果から、ボタンボウフウエキスは膀胱の過剰な収縮を緩和することにより、単独やノコギリヤシ果実エキスとの併用時において排尿機能を改善できることが示された形だ。
なお、同社では、今後もさらにボタンボウフウ由来イソサミジンの機能性について研究を進めていくとしている。