計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは7月31日、ワイヤレス給電用アンテナの入出力におけるAC(交流)電圧、電流、電力、電力効率の解析ソフトウェア「E5061Bネットワーク・アナライザ用ワイヤレス給電アンテナ解析ソフトウェア」を発表した。
機器へのケーブル接続なしに電力を供給できるワイヤレス給電技術は、近年標準化が進んでおり、家電やモバイル機器、医療・ヘルスケア機器、電気自動車など、様々な市場で研究開発が活発になっている。ワイヤレス給電では、アンテナを対向させることにより電力を伝送するが、このアンテナの入出力におけるAC電圧、電流、電力、電力効率を、測定器単体で測定することは困難だった。そこで、ネットワークアナライザと組み合わせることで、ワイヤレス給電に必要なこれらの測定項目を簡単かつ柔軟、しかも低価格で行えるソフトウェアを開発した。
同ソフトウェアでは、アンテナに接続されるAC電圧源の電圧値、負荷のインピーダンス値を入力するだけで、ネットワーク・アナライザ「E5061B」によるアンテナの測定結果を元に、アンテナの入出力におけるAC電圧、電流、電力、電力効率を表示できる。また、ワイヤレス給電用アンテナのAC解析に機能を限定することで、高価なシミュレーション・ツールがなくても、安価に解析を行うことが可能となっている。測定結果は、「E5061B」の画面上に、リアルタイムに更新表示される。アンテナの対向状態を変更しながら、電力効率の変化を見るなど、柔軟な解析できる。「E5061Bネットワーク・アナライザ用ワイヤレス給電アンテナ解析ソフトウェア」は、アジレント本社・八王子事業所内にある電子計測本部アプリケーション・エンジニアリング部で開発された。
価格は、ネットワーク・アナライザ「PS-X10-100 E5061B」用ワイヤレス給電アンテナ解析ソフトウェアが45万円から、ネットワーク・アナライザ「E5061B」を含むシステム価格が450万円から。2012年8月1日より出荷を開始する。