計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは6月13日、最大50GHzまで対応したミドルレンジのベクトル・ネットワーク・アナライザ「PNA-L」シリーズ5機種を発表した。
同製品群は、「N5230C」の後継機種で、2/4ポートの13.5GHzモデルと20GHzモデル(いずれも下限周波数は300kHz)、2ポートの8.5GHzモデル、43.5GHzモデル、50GHzモデルの5機種で、既存の「N5230C」に比べて性能向上がなされた。
具体的には、12.5GHzにおいて出力が5dBm大きく、ダイナミックレンジが20dB広くなった。さらに、高速周波数スイッチングの新たなシンセザイザを搭載した。また、上位モデルの「PNA-X」シリーズと同じCPUやディスプレイを採用、画面サイズは24%大きくした。既存の「N5230C」とコマンド互換のため、従来のセットアップを変更することなく導入することができる。
ハードウェア・プラットフォームも共通のため、「PNA-X」シリーズのハードウェアの進化とともに、「PNA-L」シリーズの性能も改善されていくという。「PNA-L」シリーズでは、利得圧縮やFastCWモードなど、従来は「PNA-X」シリーズのみに提供されていたアプリケーションにも対応する。さらに、受動部品のSパラメータ測定や、増幅器や周波数コンバータの測定など、幅広いアプリケーションもサポート。このほか、材料測定やシグナル・インテグリティ解析にも適していいる。
インタフェースは、LAN/USB/GPIBを備える。また、Windows OSを採用したオープン・アーキテクチャを採用しており、内蔵ヘルプ機能も充実している。PNAファミリのCPUおよびOSはアップグレード可能となっている。
価格は税抜き参考価格が548万2642円から。すでに販売を開始している。出荷開始は2012年7月を予定している。