Lattice Semiconductorは6月8日、低コスト・低消費電力のFPGA「LatticeECP4」のサンプル出荷を開始すると発表した。

「LatticeECP4」ファミリは、200K LUTまでのミッドレンジのFPGAデバイスで、6Gbps SERDESやDSPブロック、ハードIPベースの組み込みコミュニケーションブロックが集積されている。ファミリの中で最も高集積な「LatticeECP4-190」は、183K LUT、480個のダブルデータレートDSP乗算器(18×18)、5.8Mビットメモリ、12チャネルの6Gbps SERDESを搭載し、コストや消費電力要件の厳しい無線・無線通信やビデオ、コンピューティングなど、幅広い用途に適用できる。パッケージは、676/900/1152ピンのフリップチップBGAが用意されている。

「LatticeECP4-190」は、CPRIとSRIO 2.1の高速インタフェースと、異種無線ネットワーク構築のためのダブルデータレートのDSPブロックを搭載する。これにより、最新の3G/4Gメトロ基地局や小規模な携帯電話基地局、ピコステーション、マイクロ波、ミリ波のバックホールリンクを迅速に構築することができる。また、有線接続機器の設計に際しても、36個の組み込みCDR(クロックデータ再生)回路により、ポート密度の高いスイッチやルータのシステムを構築することができる。さらに、DSPブロックとポートフォリオのサードパーティIPコア、参照設計によって、ビデオや監視カメラなどに複雑なアルゴリズムを実装できるようになるという。

すでに一部のユーザーには、設計ソフトウェアの「Lattice Diamond 2.0ベータ版」が先行して提供されており、製品設計および新たなサンプルのプログラムが可能となっている。「Lattice Diamond」は、LatticeのFPGA製品向け設計環境で、ツール群と効率的な設計フローおよびユーザインタフェースを備えているほか、低コストかつ低消費電力の用途に特化した機能として、高精度なパワーカリキュレータやピン単位のSSO(同時スイッチング出力ノイズ)カリキュレータ、MAPやPARなどの実装アルゴリズムなども含まれている。

なお、LatticeECP4-190の基本価格は676ピンフリップチップBGAが、10万ユニット発注時で60ドル。2013年下半期に量産出荷を開始する予定としている。