MIPS Technologiesは、次世代MPUコア「Aptiv Generation」を発表した。

「Aptive Generation」コアは、「proAptiv」、「interAptiv」、「microAptiv」 の3つのファミリで構成され、様々なアプリケーション向けに選択できるようになっている。

各コアは、「MIPS32 Release 3」アーキテクチャを基本としており、ネットワークの強化、組み込みシステム分野での拡張、モバイルシステム開発向けに多様な選択肢の提供する。タブレット端末やスマートフォンを含むモバイル機器向けでは、アプリケーション処理のためのトップエンドのマルチコア性能、ベースバンド処理のようなアプリケーションのための高効率なマルチスレッド技術、タッチスクリーン・コントローラ、SIM/セキュリティやGPSといったアプリケーションや組み込み制御のための環境を提供する。

ハイエンドの「proAptiv」は4.4CoreMark/MHz、3.5DMIPS/MHz以上の性能を競合の同等レベルのIPコアよりも小さいサイズで実現している。用途としては、ハイエンドのモバイル機器や、Webに接続する機器のアプリケーション処理や、ネットワーク・アプリケーションにおけるコントロール・プレーンの処理に最適という。また、"big.LITTLE"のようなエキゾチック電力管理機能を実行可能な他、「MIPS32 74K」(シングルコア)/「1074K」(マルチコア)と比較して、CoreMarkとDMIPS値を60~75%以上向上させることができる。

「interAptiv」は、9つのパイプラインとマルチスレッド機能を搭載しており、競合の同等レベルコアと比較して、50%以上のCoreMark/MHz性能を、より小さいダイサイズで実現している。ゲートウェイ、LTEユーザー機器や小セルにおけるベースバンド処理、SSDコントローラや、オートモーティブ機器などといった、コストと消費電力の低減が重要視される高度な並列処理のアプリケーションに最適という。

「microAptiv」は、「MIPS32 M14K」コア・ファミリと「microMIPS」コード圧縮命令セットを元に構築された、標準I/Oインタフェースを搭載した低消費電力、コンパクト、リアルタイム組み込みプロセッサ・コア。工業制御、スマートメータ、オートモーティブや、有線/無線通信を含む幅広い組み込み分野向けの信号処理に対応するために、DSP機能拡張とSIMD機能を搭載している。

「Aptiv」コア・ファミリのライセンス取得の受け付けはすでに開始されている。「proAptiv」ファミリは、2012年6月に提供開始の予定。「interAptiv」ファミリのデュアルおよび4コア構成(オプションでPFU)は、2012年6月から提供開始の予定。ただし、同コアのシングルコアのバージョンの提供は、2012年末を予定している。「microAptiv」ファミリは、キャッシュ/MMU搭載バージョンとキャッシュ搭載なしバージョンともに供給を開始している。

「Aptive Generation」コアのラインナップ