LeCroyの日本法人であるレクロイ・ジャパンは、モジュール型リアルタイム・オシロスコープシステム 「LabMaster10Zi」に65GHzモデルを追加したと発表した。

独自のSiGe技術により高帯域幅の計測を実現。SiGe 8HPプロセスを採用し、36GHz帯域 4チャネル同時入力を実現している。同社では、「LabMaster 10Zi」のロードマップを発表しており、2013年にはDBI技術を用いて100GHz帯域を実現する計画だ。

今回の65GHzモデルと計画された100GHzモデルは、特許技術であるDBI(Digital Bandwidth Interleave)技術を採用している。さらに、ChannelSyncアーキテクチャにより、精密な同期を維持しながら、80チャネル同時に36GHzの帯域とサンプリング速度80GS/sによる補捉。もしくは、40チャネル同時に最高65GHzの帯域とサンプリング速度160GS/sによる補捉を可能としている。新しく発表された拡張モジュールは、従製品と比べチャネル密度(帯域×チャネル数)を4倍に高めることができる。

また、同製品は、オシロスコープのアクイジション(信号捕捉)機能をディスプレイ、制御、および処理機能と分離している。マスターコントロールモジュール(MCM-Zi)には、ディスプレイ、制御、ChannelSyncアーキテクチャ、強力なサーバクラスの12コアのCPUが含まれている。すべてのアクイジション・モジュールから取得した波形は、従来のオシロスコープのように、1つのディスプレイに表示される。複数のアクイジション・モジュールを持つシステム全体の接続とセットアップは、精密なデスキュー校正を含めても5~10分程度で完了する。

LabMaster 10Ziアクイジション・モジュールは、Siベースの36GHzのチップを使い、2つの入力チャネルで最高65GHzまで(または将来アップグレードすることで、1つのチャネルで100GHzまで)帯域の性能を提供する。1つのMCM-Ziと1つのLabMaster 10Ziアクイジション・モジュールの組み合わせにより、4チャネル36GHz帯域のオシロスコープとして、または2チャネル65 GHz帯域/4チャネル36GHz帯域のオシロスコープとして使用することができる。

この他、すべてのアクイジション・モジュールが共通して利用する単一のサンプリング・クロックとトリガ回路により、最大80チャネル入力時にも、最高の信号捕捉精度を実現。アクイジション・モジュールは「プラグアンドプレイ」に対応した設計のため、特別なプログラミング、外部サンプリング、クロック同期、オシロスコープ間の複雑な接続などは必要ないという。

65GHzモデルを追加した「LabMaster10Zi」