Intersilは4月25日、ピコプロジェクタ・システム「Pico-qHD」およびLED光源とLCoSを組み合わせピコプロジェクタ・ソリューションを発表した。

「Pico-qHD」は、フィールド・シーケンシャル駆動で光源にLED、映像デバイスにLCOSを用いたピコプロジェクタ向けシステムで、量産品の光学エンジン、ハードウェア、ファームウェア、カスタマイズ可能な設計ファイルを含む完全集積型のリファレンス・デザインとなっている。1080pのビデオ入力と互換性を持ち、解像度qHD(960x540画素)のディスプレイへ自動的にスケーリングに対応する他、HDMI入力ビデオ・インタフェースにより、広範なHDMI対応ビデオ機器との互換性を実現した。

MCU搭載ビデオ・プロセッサでは、グラフィック・オンスクリーン・ディスプレイ(OSD)を実現。また、充電しながら同時に仕様できるバッテリ・チャージャを採用した他、ファンやアクティブ冷却が不要となっている。

光学エンジンには、Micron Technologyの「E330」を採用し、サイズは高さ7mm、5.5cm3と小さく、組み込みアプリケーションを最適となっている。消費電力は1Wで、光学エンジンと電子部品を合わせた総システムでも2W未満と少ない。プットプリントは、アクセサリ・アプリケーション向け電子部品で1.7×2インチ、組み込みアプリケーション向け電子部品で1×1.5インチ未満となっている。

LED光源の駆動には、Intersilの完全集積昇降圧型RGGB LEDドライバ「ISL97901」が採用されている。ピコプロジェクタ・ディスプレイ向けにカスタマイズされており、高い電力効率、業界最小のフットプリントにより、RGBおよびRGGB LED駆動する。高精度電流制御で、最高の画像品質を維持する。また、2.0mAの解像度により、均一なホワイト・バランス設定が可能で、生産ロットごとや、プロジェクタの寿命によるバラつきをなくした。最大駆動電流は1.5Aで、輝度20lmを実現している。

この他、LCDビデオ・プロセッサ「TW8835」、パワーマネジメントIC「ISL9307」、昇降圧型コンバータ「ISL9110」、バッテリ・チャージャ「ISL9230」といったIntersil製品も集積されている。さらに、オプションとして、画像品質の維持と光学的校正作業のコスト低減を実現する自動リアルタイム・ホワイト・バランス制御機能のためのOEICセンサ「ISL58333」も用意している。

なお、「Pico-qHD」リファレンス・システムはすでに提供中。

Pacific Media Associatesの予測によると、2015年までにピコプロジェクタの年間販売数が5800万個に達する見通しという。