京セラは4月24日、80m/minの高速印刷を実現した1200dpiインクジェットヘッド「KJ4B-Z シリーズ」を開発したと発表した。

カタログや各種広告類などを取り扱う商業印刷では、オフセット印刷による大量印刷が主流だが、昨今、印刷物の小ロット化、短納期化、在庫削減、可変印刷など、多様なニーズに対応できるオンデマンド印刷方式への需要が高まっている。このため、高速・高精細印刷が可能な機器の開発が進められており、搭載されるヘッドにも同様の特性が求められている。

同製品は、1つのインクノズルから最大約6万4000滴/s(=駆動周波数64kHz)のインクを吐出。圧電アクチュエータやインクノズルの高密度設計により、1つのヘッドに5120個のノズルを配置、約3.3億滴/sでインクを吐出させることで、1200×1200dpiで世界最速の80m/minの印刷速度を実現した。さらに、インクの流路構造などを改良し、最小のインク液滴を2ピコリットル以下にし、より高精細な印刷を可能とした。これらにより、世界最高の印刷速度80m/minを実現した。有効印刷幅は圧電方式としては最大の108mm。幅広印刷時においてヘッドの使用本数の減らすことができるため、機器設計の容易にし、インク配管や配線などの様々な調整の負荷を減らすことができる。

このような、世界最速・高精細印刷を実現しながらも、製品の耐久性を表す駆動耐久性能(インク吐出回数)は、従来品と同等以上の性能を実現した。また、外装封止構造を採用することで、商業印刷で求められる信頼性にも対応する。

1200dpiのインクジェットヘッド「KJ4B-Z シリーズ」