連続使用や悪条件での使用を前提としなければならないビジネスPCにとって、堅牢性を保つことは非常に大きな要素となる。

HPでは、静音性テスト、気候耐性テスト、電磁波ノイズテスト、静電放電テスト、落下・衝撃・振動テスト、ストレステストなどを実施している。具体的な内容は、同社のWebに掲載されている。

気候耐性テストでは、動作時(摂氏10~35度)、非動作時(摂氏-30~60度)における気温の上昇・下降によるパフォーマンスへの影響や冷却機能の作動状態や、95%の湿度での湿度耐性、高度9,144メートルでの高度耐性もチェックされる。また、ストレステストでは最大の消費電力や熱排出状態を再現してパフォーマンスがチェックされる。

「EliteBookシリーズは、米軍の調達基準に基づいた耐久性テストを実施しております」と白木氏。そのテストでは、約76cmの高さから、あらゆる角度で26回落下させるテストや、粉塵、低温/高温、高湿度、振動、高高度での動作など非常に過酷なテストとなっており、これらに合格した製品のみがラインナップされる。同社Webではテスト風景を撮影した動画が公開されている。

「衝撃が発生すると自動で感知し、ヘッドをセーフティゾーンに移動させてディスクの破損を防ぐ『HP 3Dドライブガード』を実装させるなど、各所に工夫が凝らされています」と白木氏。酷使されるPCの実際の現場を意識した製品開発は、多くノウハウを持つHPならではといえるだろう。

また、メンテナンス性にも工夫がある。

「サイドパネル外すと主要パーツはツールレスで取り外すことができます」と岡本氏。ハードディスクユニットなどは丸ごと外すことができるので、デバイス交換が簡単に行えるというわけだ。また、ノート製品でも、「現行のビジネスノート製品は背面のパネルを丸ごと外すことが可能になりました。これによって、メモリの増設やパーツ交換が容易になり、お客様から大変ご好評を頂いております」と白木氏は語る。

デスクトップ機はもちろん、ノート製品も工具なしでメモリの増設やHDDの交換が可能

通常はドライバレスで裏蓋を開けることができるが、蓋にはネジが付属しており、セキュリティを重視する場合はネジ止めもできる

豊富なラインアップであらゆるニーズに対応

企業によっては部署や部門によって、必要となるPCがある程度決まってくる。パフォーマンスを要求するグループや、省スペース性やモバイル性を重視する部署など、企業内だけでもニーズは幅広い。

その点、HPの製品群は豊富なラインナップを誇っているので、必要なPCが見つけやすい。デスクトップ製品はセキュリティ・管理性の高さから運用管理コストを低減する「Eliteシリーズ」初期導入コストを低減する「Proシリーズ」の2つのシリーズを用意。筐体サイズでは、ウルトラスリム、省スペースモデル、ミニタワーモデルのほか、液晶一体型も選べる。

ノートPC製品では、初期導入コストを削減するスタンダードモデル、互換性や拡張性に富んだビジネスモデルを有する「Probookシリーズ」、ワンランク上のセキュリティ、管理性、堅牢性を実現し、運用管理コストを低減するプロフェッショナルモデルをラインナップする「Elitebookシリーズ」がある。

HPのデスクトップのラインナップ(左がセパレートタイプ、右がオールインワンタイプ)

HPのノートPCのラインナップ

これに加え、マイクロソフトWindows7を搭載するボード端末となる8.9インチの「HP Slate 2 Tablet PC」もラインナップしている。「Windowsを搭載するため、既存の企業内システムとの親和性が高く、現在使っているアプリケーションもそのまま活用できます。マルチタッチとペン入力に対応しているので、さまざまな用途に柔軟に適用できる可能性があります」と白木氏は語る。

マルチタッチとペン入力に対応した「HP Slate 2 Tablet PC」

Windows 7 Professionalを搭載するためドメインにもすぐに参加することができ、OutlookやSharePoint、Exchangeなど、社内システムへ統合することが可能なスレートPCは、企業でタブレットを利用する場合にとても利便性が高いと言える。ちなみに、この端末にはCtrl+Alt+Delのショートカットキーを集約したボタンが付いているので、ログイン時にも困らない。細かいところだが、そうした配慮も実際の現場を知っているHPならではといえるだろう。

「現在、クレジットカードなどが読み込める磁気リーダとバーコードリーダを搭載したジャケットも商品化を検討しており、携帯性の高いPOS端末としての利用もご提案頂けるようになります。Slate 2は、通常のオフィス利用のノートPC的なライトな使い方から、店頭での決済といった専用用途まで幅広く対応する端末です」白木氏は語る。

今回の取材で、HPが見えない部分にもこだわりを持っていることがわかった。クライアントPCの刷新や新規導入を考えている企業は、一度HPを検討してみるといいだろう。